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タイトル: 8. The Natural Remanent Magnetism of Sedimentary Rocks : Preliminary Note
その他のタイトル: 8. 水成岩の自然殘留磁氣 : 序報
著者: Nagata, Takesi
Kasai, Kazuhiko
Rikitake, Tunezi
著者(別言語): 永田, 武
明石, 和彦
力武, 常次
発行日: 1944年3月15日
出版者: 東京帝国大学地震研究所
掲載誌情報: 東京帝国大学地震研究所彙報. 第21冊第2号, 1944.3.15, pp.276-297
抄録: 水平な堆積層の連續的に異れる深さの部分の試料の自然殘留磁氣の方向を測定する試みが最近McNish及びJohnsonによつて爲された.筆者等は先づ沈澱物の自然殘留磁氣の表はす物理學的意味を模型實驗によつて確めた.即ち,地球磁場内冷却による熱殘留磁氣を持つ火成岩が細粒に破碎され,之等が水中を沈澱する際,地球磁場の作用によつて,結局水底の沈澱物の磁化方向は地球磁力のそれと一致する.猶ほ簡單な數理的考察の結果,一塊の沈磯物の磁化の見かけの強度とそ微澱物内の總ての磁化の算術和との比はtanhF/2λμtで表はされる事が分る.但しF,μ,tはそれぞれ地球磁氣全磁力,強磁性細粒の磁氣能率及び水中沈降に要する時間を表はし,λは細粒の廻轉に對する水の抵抗の係數である.實際の水成岩の水平堆積暦の殘留磁氣の測定に當つては,出來るだけ小さい試料に就いて高い精度で測定する爲に,本文第2圖に示す如き電磁誘導方式を採用した.即ち1・5cm立方の測定試料を圓形線輪の中心線上に於いて廻轉し,線輪内の誘導電壓を試料の廻轉周波数に同調した高能率増幅慕で擴大する.この出力側の電流を試料架臺に直結した廻轉整流器によつて整流し,之を檢流計によつて測定する,但し試料と廻轉整流器との位相差は任意の値に固定する事が出來る.上述の位相差を0から2π迄順次變へて最後の直流 を測定した結果から,試料の磁化の強さ及び方向を決定し得る事は本交第3節に読明してある.此の實驗の主なる困難は測定試料の磁化の比強度が'10^<-6>~10^<-5>e.m.u.程度の極めて微小たるが爲に,電磁的及び静電的な外部攪亂を殆んど完全に除去すべき事にあつたが,多くの試みの結果,ほゞ満足し得る状態に達してゐる.上述の如き測定装置によつて,印播沼畔に於いて採集した成田層細砂(自然状態ではかなり良く凝つてゐる)の上部1・5mの部分の殘留磁氣を吟味した.試料は成田層をその關東ロームの境界面から2cm毎の細層に分ち,各々の薄層の中央部から1・5cm立方の試料を切りとつた.斯くの如き72個の立方形試料の殘留磁氣を順次測定した結果は,本女第7圖及び第1表に示す如く,偏角は平均に於いて現在の磁氣子午線から約22°東偏し,然も振幅に於いて約30°,週期に於いて約40cmの著しい週期的變化を示し,之に對して伏角は平均に於いて約58°であり(現在の地球磁場伏角の値より約10°大きい),且つ伏角の深さに從ふ變化は偏角のそれの如くには著しくない.若し之等の結果が,模型實驗の示す如き,又理論の期待するが如き,物理的意味を持つとするならば,成田層の偏角及び伏角は即ちその堆積の行はれた中上部洪積紀に於ける東關東地方の地球磁場の偏角及び伏角の永年變化の模様を表はす事になる.残念な事には堆積に要した時間が明瞭には分らない故に,地層の深さを時間の經過に換算する事は今の處困難である.更に他の一つの問題は,測定に用ひた成田層は細砂であり,その堆積に於いては單なる水中の 沈降といふよりも,寧ろ河口近くの陸棚に於ける渦流動によると見る方が自然である.然らば,細砂が水底に於いて,廻轉,平行移動等の不規則な運動を爲しつゝ堆積した場合も猶ほ地球磁力の影響が薯しく作用するか否かゞ問題となる,この問題の解決は目下進行中であり,一方に於いて純粋に水中沈澱によると思はれる水平堆積層に就いて測定を續行し,地質時代に於ける地球磁場永年變化を温跡すると共に,他方に於いては,逆に之等の結果を物指として,變動せる地層に於ける殘留磁氣の分布から過去の地殻變動を推定し,從來の地質學的,地形學的方法による諸結果と照合するに到らしめたい希望である.この研究は筆者の一人永田へ與へられたる服部報公會の研究援助費及び文部省科擧研究費によつて遂行せられたものである.記して關係當局に厚く感謝の意を表する.
URI: http://hdl.handle.net/2261/10592
ISSN: 00408972
出現カテゴリ:東京大学地震研究所彙報
東京大学地震研究所彙報

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