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タイトル: Studies of the Thermal State of the Earth. The 10th Paper : Terrestrial Heat Flow Measurements in Tohoku District, Japan
その他のタイトル: 地球熱学 第10報 : 東北地方に於ける地殻熱流量測定結果
著者: Horai, Ki-iti
著者(別言語): 宝来, 帰一
発行日: 1963年6月30日
出版者: 東京大学地震研究所
掲載誌情報: 東京大学地震研究所彙報. 第41冊第1号, 1963.6.30, pp. 137-147
抄録: Terrestrial heat flow values at three localities were added to the previous heat flow determinations in Tohoku District. Of the newly-added three localities, two (Kamaishi and Nodatamagawa) are on the Pacific coast side of the District while the other (Osarizawa) is on the central part slightly nearer to the Japan Sea coast of the District. Thermal gradients observed in these localities are 0.66- 1.16℃/100m in Kamaishi, 1.38℃/100m in Nodatamagawa, and 3.34℃/100m in Osarizawa. Geothermal heat flux in each of these localities was determined from the thermal gradient combined with thermal conductivity of rocks collected at each place. The values of heat flux are 0.37~0.66 × 1O-6 cal/cm2 sec in Kamaishi, 1.14×1O~6 cal/cm2 sec in Nodatamagawa and 2.24×1O-6 cal/cm2 sec in Osarizawa. The results, together with the previously determined heat flow values (2.01 × 10-6 cal/cm2 sec in Yabase and 1.49 × 1O-6 cal/cm2 sec in Innai), indicate that the heat flow is high on the Japan Sea coast of the District, while it is low on the Pacific coast of the District. This observation is in accord with the results of heat flow measurements in Kanto and Hokkaido Districts and in the sea off the Tohoku District.
1.東北地方では従来八橋・院内の2地点で地殼熱流量の測定が行なわれていたが,今回更に3地点での測定を行なつた.以下にその要点を述べる.2.尾去沢:秋田県鹿角郡尾去沢町の三菱金属鉱業尾去沢鉱業所において,地殼熱流量測定を行なつた.鉱山付近の地質は第三紀中新世に属する凝灰岩・頁岩・安山岩および洪積層・沖積層から或つている.鉱山の坑道内および地表からの探査用ボーリングによつて温度測定を行ない,地下等温面が山体その他地表面の起伏によらずほぼ水平をなしている事実および地下温度増加率が3.34℃/100mであることを推定した.測定地の概略の位置は北緯40°11'東経140°45',利用した坑道の高低差は約200m,使用したボーリングの深さは約300mである.また測定点付近の地層から採集した凝灰岩・頁岩・変朽安山岩等の試料について熱伝導率の測定を行ない,それらにもとづいて地層が全体として示す熱伝導率を6.70×10-3cal/cm sec℃とした.地下温度増加率と熱伝導率とから,この地点の地殼熱流量の値は2.24×10-6 cal/cm2 seeとなる.測定にあつて尾去沢鉱業所地質課の主任技師佐藤孝市氏,試錐係の西村博氏はじめ各位のお世話になつた.3に野田玉川:岩手県九戸郡野田村字玉川に,新鉱業開発株式会社野田玉川鉱山がある.鉱山の概略の位置は北緯40°O4'が東経141°50'で北上山地の北端に位置し,付近一帯の地質は砂岩・chert・粘板岩から成る中生層(古白堊系)とそれを貫入する花崗岩類,さらにこれらを覆う中世層(新白堊系)と第四紀層(洪積世)の堆積岩類から成るといわれ,中生層の一部はhornfels化されている.この鉱山の坑道内の試錐孔数本を利用して温度測定を行ない,地下温度増加率1.38℃/100mを得た.利用した坑道の高低差は約400mである.また採集した砂岩・chert・頁岩等の熱伝導率を測定し,平均熱伝導率8.28×10-3 cal/cm sec℃ をえた.これらによると,この地点の地殻熱流量は1.14×10-6cal/cm2 secとなる.測定にあたつて,野田玉川鉱業所の梶田民夫氏ほか各位の御助力をいただいた.4.釜石:岩手県釜石市甲子町の日鉄鉱業株式会社釜石鉱業所で地殼熱流量の測定を行なつた.鉱山付近の地質は二畳紀古生層に属する砂岩・緑色岩・石灰岩・粘板岩等とそれらを貫入したMonzonite・〓岩・閃緑岩・花崗閃緑岩等から成つている.鉱山の坑道内の多数の点で温度測定を行なつてみると,この地域では地下温度の分布が相当に不規則で,垂直ボーリング数本を利用して測定した温度増加率も,測定位置によつてO.66℃/100mから1.16℃/100mにわたるいろいろの値を示している.ボーリングコアから石灰岩・skarn・〓岩・閃緑岩・粘板岩等の試料を採集して熱伝導率を測定し,平均値5.66×10-3 cal/cm sec℃を得た.この値を用いて地殼熱流量を求めると,地下温度増加率の不定に応じて,その値は0.37~0.66×10-6 cal/cm2 secとなる.調査に際して釜石鉱業所採鉱課長和田成人氏・地質係長田中良雄氏・内山久男氏はじめ各位のお世話になつた.5.さて今回の測定結果を,すでに得られている地殻熱流量の測定結果(八橋において2.01×10-6 cal/cm2 sec,院内において1.49×10-6 cal/cm2 sec)とあわせ考えると,東北地方北部の地殼熱流量は帯状の分布を示していて,北西部で地殼熱流量が大きく(八橋:Q=2.01×10-6 cal/cm2 sec.尾去沢:Q=2.24×10-6 cal/cm2 sec),中間の地帯(野田玉川:Q=1.14×10-6 cal/cm2 see,院内:Q=1.49×10-6 cal/cm2 sec)を経て東南部では地殼熱流量が小さい(釜石:Q=0.37~0.66×10-6cal/cm2 sec)という特徴がみとめられる.この特徴が,日本列島の地殼熱流量分布の主要な特徴の一つであることは,隣接諸地域におけるこの種の測定結果から確かめられるのである.以上の研究調査を行なうにあたつて,必要なる便宜を提供するとともに,進んで研究に協力して下さつた各鉱山会社・鉱業所の方々に心から感謝の意を表する.
URI: http://hdl.handle.net/2261/12100
ISSN: 00408972
出現カテゴリ:東京大学地震研究所彙報
東京大学地震研究所彙報

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