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タイトル: 阿武隈山地広野地域の地質構造
その他のタイトル: Geologic Structure of the Hirono Area in the Abukuma Mountains.
著者: 恒石, 幸正
著者(別言語): Tsuneishi, Yukimasa
発行日: 1966年10月31日
出版者: 東京大学地震研究所
掲載誌情報: 東京大学地震研究所彙報. 第44冊第2号, 1966.10.31, pp. 749-764
抄録: 東北日本の太平洋側に位置する阿武隈山地は新生代後期に隆起した地塊山地であり,山地の東西南縁は構造線によつて限られている.地塊山地の隆起のメカニズムを解明するために東縁構造線の南端部をしめる広野地域の地質構造が研究された.阿武隈山地およびその周辺地域の地質構造を理解するにあたつて,基盤と被覆層という二つの構造単位を区別することが重要である.山地の大部分は中生代後期の造山運動を受けた古生層,中生層,変成岩および花崗岩よりなる基盤から構成され,周辺地域は上部白亜系以後の被覆層によつておおわれている.広野地域では被覆層がもつとも厚く(1900m),かつ広く分布しており,山地の隆起に際して顕著な変形をうけている.上部中新統の白土層群の堆積後に撓曲運動が起こり,削剥を受けたのち鮮新統の多賀層群がその上を不整合におおつた.その後の隆起によつて撓曲帯の東緑にそつて低角な双葉逆断層および無数の小断層が形成された.この研究では小断層の中から共役なものを選びだし,それによつて断層がつくられたときの主応力軸の方向を決定する方法が用いられた.断層が共役であることを判定するためにはつぎの条件が用いられた: (1)地層面のずれが互いに逆向きである (2)断層面の交角が予想される最大圧縮主応力軸をはさんで60°前後である (3)断層面上の線条の方向が矛盾しない (4)両方向の断層に平行な断層も含めて互いに切り合つている.主応力軸の方向により広野地域の小断層はnormal fault set, thrust set, strike-slip fault setの3つに分けられたが,それぞれ最大圧縮主応力軸は撓曲帯の示すNNW-SSEの構造方向に直交している.最初の組は撓曲帯西方の安定領域に発達し,後の2組は撓曲帯内部に交錯して分布している. Normal fault setの一部およびthrust setは双葉逆断層と調和的であり,西方へむかつて主断層をはなれるにつれて中間主応力の方向を軸として応力系が90°回転していることが示される.このような応力分布に対し単純な横圧力を対応させることは不可能であり, A. Sanford (1959)の理論的実験的研究を引用することにより説明することができる.すなわち基盤が鉛直な断層面にそつて差動運動をするとき,被覆層の中には主応力軸が90°回転するような応力分布が生じる.阿武隈山地東緑において山地の隆起に関与した基盤の断層を10ヵ所で観察することができるが,このうち9ヵ所まではほぼ鉛直に近い断層面をもつている.この事実は広野地域の撓曲帯の下でも基盤が鉛直な断層面にそつて差動的に動いたという推定を裏づける.基盤の差動量は約1000mと算定された.
The Abukuma mountains situated on the Pacific coast of northeast Japan is a block mountain, which was elevated in the late Cenozoic time, its eastern and western margins bounded by great fault lines. The writer investigated the Hirono area located at the southernmost part of the eastern fault line, in order to clarify the mechanism of the uplifting of the mountains. For understanding the geologic structure of the Abukuma mountains and the adjacent region, it is important to distinguish two structural units-basement and cover. The major part of the mountains is occupied by the basement which is composed of the metamorphics, the Paleozoic and the Mesozoic formations suffered from the late Mesozoic orogeny, and granite, whereas the adjacent region is veneered by the cover from late Cretaceous to Recent. In the Hirono area the cover is developed thicker (1900m) and wider than in other areas, and is considerably deformed by the uplift of the mountains. Flexure movement succeeded the deposition of the upper Miocene Shirado group, and then the strata in the flexure belt have been covered unconformably by the early Pliocene Taga group. Later upheaval has formed a low-angle "Futaba reverse fault" along the eastern margin of the flexure belt and numerous minor faults in its environs.
URI: http://hdl.handle.net/2261/12274
ISSN: 00408972
出現カテゴリ:東京大学地震研究所彙報
東京大学地震研究所彙報

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