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タイトル: Re-Presenting Voices: Activism of Asian American Artists and Memories of Japanese American Wartime Internment
その他のタイトル: アジア系のアメリカ人芸術家の活動と日系アメリカ人戦時収容所の記憶再構築
著者: Takeuchi, Aiko
著者(別言語): 竹内, 愛子
発行日: 2006年3月
出版者: 東京大学大学院総合文化研究科附属アメリカ太平洋地域研究センター
掲載誌情報: アメリカ太平洋研究. vol.6, March-2006, pp. 243-259
抄録: 戦後半世紀以上の間、第二次世界大戦中のアメリカにおける日系人強制収容所の語りは、時代の変化とともにさまざまな変遷を経てきた。なかでも本稿で取りあげる収容所内での抵抗者の歴史は、1990年代以降になって多く語られるようになった「新しい」歴史記憶である。//戦争直後の収容所を巡る語りは、主に政府や米国日系人市民協会(JACL)によって統制され、日系人の抵抗の記憶は抑圧された。こうして抵抗の記憶をアメリカに「非忠誠的」な一部の扇動的日系人に限る一方で、日系二世部隊に代表される「忠誠的」で献身的な日系人の記憶が前面に語られるようになった。ところが、1970年代のアジア系アメリカ人運動や1980年代に高まりをみせた収容所補償要求運動などに刺激を受けた若い世代らを中心に、それまで忘れられかけていた抵抗の記憶にも徐々に注目が集まるようになった。//さらに1990年代以降になると、様々なタイプの抵抗者の中でもとりわけ懲役拒否という形で抵抗した日系二世達が新しい英雄として脚光を浴びるようになった。アメリカ憲法と民主主義精神への忠誠を根拠に収容所政策に抵抗した彼らは、それまで主流であった寡黙で従順な日系人像とは異なる存在だった。この懲役拒否者の記憶の再発掘の裏には、アジア系アメリカ人芸術家の活動と奮闘があった。中国系アメリカ人劇作家のフランク・チンを中心とする芸術家仲間は、アジア系独自の芸術観と歴史観を求めて様々な活動に関わってきた。アジア系市民全体に科せられてきた沈黙とステレオタイプの重圧からの解放を求めてきた彼らにとって、懲役拒否者はアジア系アメリカ人としての固有の誇りと力強さをもった理想的なアジア系アメリカ人像の象徴となったのである。//こうして収容所を巡る新しい語りの出現は、歴史記憶の多元化と相対化をもたらし、直接体験者だけではなく若い世代や非日系人を含めたより広いアジア系アメリカ人の枠組みの多様な記憶同士の対立や衝突も生じた。戦争世代のJACL会員と若い世代の「活動家」の間での懲役拒否者の記憶に関する意見対立がその顕著な例である。しかし、現代の文脈の中での歴史記憶を巡るこのような議論を通して、歴史は常に再考され、甦っていくのである。
URI: http://hdl.handle.net/2261/23579
ISSN: 13462989
出現カテゴリ:アメリカ太平洋研究
アメリカ太平洋研究

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