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タイトル: The Westward Drift of the Magnetic Field of the Earth
その他のタイトル: 地球磁場の西方移動
著者: Yukutake, Takesi
著者(別言語): 行武, 毅
発行日: 1962年8月15日
出版者: 東京大学地震研究所
掲載誌情報: 東京大学地震研究所彙報. 第40冊第1号, 1962.8.15, pp. 1-65
抄録: Secular variations in the geomagnetic field are studied with the intention of making a clear-cut separation of the variation due to the westward drift of the non-dipole field from that due to the growth and decay of the said field. By making use of a few different methods, the most probable velocity of the westward drift is determined as 0.20°/year on average. It turns out that the major parts of the observed field variation are caused by the drift. It is not reasonable, however, to ignore the residual variation in the field which cannot be explained by the drift. Growth and decay in the non-dipole field seems to be responsible for the residual field. The field variation in historical time is also likely to be approximately accounted for by the drift, so that it is suggested that the non-dipole field has a life-time as long as several hundred years or more.
地磁気永年変化中,地球磁場への西方移動によってひきおこされる変化と,磁場の消長に伴う変化とを分離する目的でこの研究はなされた.第1章 磁場が地球核と共に,中間層に対して相対的に西へ移動する場合,地表で観測される磁場の変化中には,流体運動の変化等による磁場の成長衰退のほかに,空間的に起伏のある磁場が全体として移動することによつて生ずる変化が含まれる.もし西方移動速度の空間的時間的特性が十分詳しく知れていれば,この二種類の性質の異る変化を分離することが可能である.実際には,西方移動速度に関する我々の知識は十分とはいい難いから,まず移動速度を詳しく求めることを試みた.最初に,観測された変化は大部分磁場の移動によると仮定して,ある時の磁場の分布が移動したためにおこる磁場の変化がもつともよく観測結果を説明できるよう移動速度を求める.違つた資料,異る方法によつて得られた移動速度が,互いに矛盾がなく,その上物理的に受容可能なものであれば,最初の仮定-観測された磁場の変化は主として磁場の移動による-は正当化されると見て差し支えない.実際に移動速度を求める方法としては,ある空間的領域内で,観測と期待値とを比較するやり方と,ある時間間隔内で比較する方法とがある.第2章 地球磁場に関する球函数分析の結果を用いて,種々の緯度での西方移動速度を求めた.第一の方法は,磁場の分布をある緯度圏に沿つてFourier級数で表現し,各項の位相の進み遅れを時間とともに追うことである.第二の方法は第1章で述べた方法(空間的な平均法)で,磁場自体とその変化率との解析結果を組み合わせて速度を求めるやり方である.この二種類の方法で得られた結果はきわめてよく一致する.解析をおこなつた結果m=1で表現される磁場は,異つた速度で移動する種類の磁場から構成される.約0.06°/yrで移動する赤道面双極子と,他の0.2°/yrの速度をもつ非双極子磁場とである.この両者は移動速度が明らかに異ることから発生機構も違つたものだと推定される.m=2に関する西方移動速度は南半球で急激に増大する.m=3については,北半球の高緯度地方で東向きの移動がみられる.各項の振幅分布を考慮すると,磁場全体の移動は主としてm=1の項によつて支配され,上述の特異性は現われない.第3章 50年以上の連続観測をおこなつている34ケ所の観測所の観測結果と,1945年の非双極子磁場の分布とから,第1章で述べた時間的平均法によって移動速度を求めた,X成分,Z成分について得られた値はばらつくが,Y成分に関して得られた速度分布は第2章で得られた結果とよく一致する.今磁場が世界中一様な速度で移動するとして,Y成分について得られた値を平均すると,0.202°/yrの速度が得られる.この平均速度で磁場が移動した場合に期待される変化を計算して観測値との差をとると,通常観測される変化に比べて著しく小さなものとなる.これは観測される磁場の変化の大部分が,磁場の西方移動によって生じていることを意味している.上述の観測値と計算値の差の空間的分布は,非双極子磁場の成長衰退の様子を示している.第4章 岩石磁気学的方法によつて得られた日本における約1000年間の偏角,伏角の変化,16世紀以来のパリとロンドンにおける観測,および最近のオスロにおける偏角伏角の変化と1945年の磁場の分布とを用い,前章と同種の解析をおこなった.約0.4°/yrの速度で西方移動したとすれば,日本,パリ,ロンドンの磁場の変化をよく説明できる.現在と過去とで移動速度が違っていたのではないかと推定される.また1945年の磁場の分布を数百年の過去にさかのぼつて適用できるということは,非双極子磁場がこの間安定に存在していたことを意味している.成田層およびNew EnglandのVarvesについてなされた古地磁気学的研究結果を用い,偏角変化の周期分析をおこなつた.1200年,1800年に卓越した周期が存在する,もし磁場の回転によつてこの周期が現われたと考えると,それぞれ0.3°/yr,0.2°/yrで回転していることになる.これは前に得られた結果とよい一致を示す.非双極子磁場の分布が長期にわたつて保たれることを暗示しているように思われる.以上の研究から,観測される磁場の変化は大部分磁場の西方移動によつてひき起されること,非双極子磁場の分布が数百年間にわたつて安定に存在することが結論される.
URI: http://hdl.handle.net/2261/24366
ISSN: 00408972
出現カテゴリ:東京大学地震研究所彙報
東京大学地震研究所彙報

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