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タイトル: A Solution Of Chandrasekhar's Integral Equation For Radiative Transfer In Plane-Parallel Atmospheres With Thin Optical Thickness
その他のタイトル: 薄い光学的厚さを有する平行平面大気の放射過程のチャンドラセカール積分方程式による一解法
著者: Tanaka, Tasuku
著者(別言語): 田中, 佐
発行日: 2003年10月27日
抄録: 衛星リモートセンシングでは衛星で大気上端からの放射を観測する。観測される放射を正規化反射率ρで表現すると下式で与えられる。//ρ(τ,γ:→i1,→i0)=γ+(P(→i1,→i0))/(4|cosθ0|cosθ1)τ//ここでτは光学的厚さ、γは地表面のLambert反射率、→i1(→i0)は観測方向(太陽方向)を、Pは散乱位相関数を、θ1(θ0)は観測方向(太陽)を示す。上記観測方程式は単散乱近似である。ρからγとτを解く逆問題が衛星リモトートセンシングである。//1978年に打ち上げられたNIMBUS 7号に搭載された沿岸海色走査計(CZCS)により海洋クロロフィルの観測が開始された。クロロフィルの観測データからの導出には大気の散乱を取り除く必要があり、高度の大気補正が必要であった。当初は単散乱近似が用いられたが1990年代からのセンサーにはより高度の大気補正が必要になった。順問題の解計算とルックアップテーブルによる解法が広く採用され大気補正に用いられた。順問題/ルックアップテーブル法は精度は高いが光学的厚さによる明示的表現ではない。解の性質を知るためには観測される放射強度の光学的厚さによる明示的表現が必要である。//本論文は大気上端からの放射強度の光学的厚さによる明示的表現を求めるものである。//大気の放射過程は長年にわたり物理学、数学の問題であった。大気の放射過程は方向変数と光学的厚さを変数とする微分積分方程式に支配される。このため微分積分方程式の数値解法では放射強度を光学的厚さで明示的に表現出来ない。1960年に発表されたCandrasekharの積分方程式では光学的厚さが変数でなくパラメータであり逐次近似法により放射強度の光学的厚さによる明示的表現が得られることになった。しかしながら同積分方程式では解の一意性が保障されず複数の解の存在が可能になってしまう。光学的厚さが薄い場合にはCandrasekharの積分方程式による逐次解が一意の解になることが明らかにされ本論文もこの考えを基に解析を進めた。//Candrasekharの積分方程式は2つの関数、散乱関数S3(τ,μ,μ*)と透過関数T3(τ,μ,μ*)を未知関数としてμとμ*を方向変数とする非線形、非同次の積分方程式になる。非同次項を第1近次解として逐次積分して解にいたる。2回積分して得られた近次解をτの冪で展開して等方性大気の散乱関数の3次多項式近似が得られた。//S3(τ,μ1,μ0-)=ω0+s210ω02(-logτ)τ2+{s200ω02+s201ω0(1/μ1+1/μ0-)}τ2+s320ω03(-logτ)2τ3+{s310ω03+s311ω02(1/μ1+1/μ0-)}(-logτ)τ3+{s3002ω02+s3003ω03+s301ω02(1/μ1+1/μ0-)+s302ω02(1/μ1+1/μ0-)2}τ3//ここでω0は大気のアルベドを、μ1(μ0-)は観測方向(太陽方向)の上下角の余弦をあらわし、各係数は以下で与えられる。//s210=0.5 s200=0.461 s201=-0.5//s320=0.25 s310=0.461 s311=-0.25//s3002=0.167 s3003=0.221 s301=-0.231 s302=0.167//非等方性大気の散乱関数の2次近似は以下が得られた。//S2(τ,→i1,→i0)=P(→i1,→i0)τ-1/2(1/μ1+1/|μ0|)P(→i1,→i0)τ2+{-Ie(→i1,→i0)+(1/μ1+1/|μ0|)(-1)(Iuu(→i1,→i0)+Ill(→i1,→i0))}(logτ)τ2+[1/2{Iu(→i1,→i0)+Il(→i1,→i0)+(3-2γ)Ie(→i1,→i0)}+(1/μ1+1/|μ0|)(-1)×{(γ-1)(Iuu(→i1,→i0)+Ill(→i1,→i0))+Iul(→i1,→i0)}]τ2//各係数は単位半球上の面積分として以下で与えられる。//Iu(→i1,→i0)=∫[U]{P(→i1,→i3)P(→i3,→i0)-P(→i1,→i3)P(→i3,→i0)}(dΩ3)/(4πμ3),//Il(→i1,→i0)=∫[L]{P(→i1,→i2)P(→i2,→i0)-P(→i1,→i2)P(→i2,→i0)}(dΩ2)/(4π|μ2|),//Ie(→i1,→i0)=∫[0,2π]P(→i1,→i3)P(→i3,→i0)}(dφ3)/4π,//Iuu(→i1,→i0)=∫[U]∫[0,2π]{P(→i1,→i2)P(→i2,→i3)P(→i3,→i0)-P(→i0,→i2)P(→i2,→i3)P(→i3,→i1)}(dφ2dΩ3)/(16π2μ3),//Ill(→i1,→i0)=∫[L]∫[0,2π]{P(→i1,→i2)P(→i2,→i3)P(→i3,→i0)-P(→i0,→i2)P(→i2,→i3)P(→i3,→i1)}(dφ3dΩ2)/(16π2|μ2|)//Iul(→i1,→i0)=∫[U]∫[L][{P(→i1,→i2)P(→i2,→i3)P(→i3,→i0)-P(→i0,→i2)P(→i2,→i3)P(→i3,→i1)},//-{P(→i1,→i2)P(→i2,→i3)P(→i3,→i0)-P(→i0,→i2)P(→i2,→i3)P(→i3,→i1)}//-{P(→i1,→i2)P(→i2,→i3)P(→i3,→i0)-P(→i0,→i2)P(→i2,→i3)P(→i3,→i1)}](dΩ2dΩ3)/(16π2|μ2|μ3)//解の特徴は以下のとおりである。//(1)逐次積分の回数が近似の階数に対応し、N次であらたに付け加わる項は光学的厚さのN次の冪となり、近似の度合いは逐次積分が進むに従って高くなる。また単なる冪級数ではなくlogの冪をもつ。//S1=τ-1/2(1/μ1+1/μ0-)τ2+1/6(1/μ1+1/μ0-)2τ3+・+・//ΔS2=(-logτ)/2τ2+s200τ2+・・//ΔS3=[1/4(-logτ)2+(・+・)(-logτ)+(・+・)]τ3+・+・//(2)logの項の存在で解の光学的厚さが0の近傍では冪の大小は以下に示される。//τ,τ2logτ,τ2,τ3(logτ)2,τ3logτ,τ3//(3)散乱回数は各近似解ごとに以下で与えられる。1次近似:単散乱、2次近似:2回散乱と3回散乱、3次近似:3回散乱、4回散乱、4回散乱//(4)非等方性大気の散乱けいさんではよく位相関数をフーリエ級数に展開するがこの近似では単位半球上の面積分になる。//等方性大気の散乱関数の近似の数値計算を行った。その結果3次近似は2次近似よりむしろ1次近似に近いことが明らかになった。//非等方性大気としてレーリー散乱と海洋エアロゾルに対し2次近似を1次近似と散乱連結法(SOS)による厳密解と比較した。2次近似は1次近似に比して解の改善が目立つが特に散乱の強い前方散乱領域での改善が著しい。//チャンドラセカール積分方程式の解法は次の2つの数学的なアイデアによっている。//(1)指数関数型のいくつかの無限級数の無限遠での収束値を求める。例えば以下の通りであるがこれらはこれまでに知られている級数ではない。。//lim[x→∞][∑[q=1,∞](n!(-τx)q)/(q(n+q)!)+logx]//=lim[x→∞][∑[q=1,∞]((-τx)q)/(qq!)+logx]+∑[r=1,n]1/r=-logx-γ+∑[r=1,n]1/r//γはオイラーの定数で0.5772である。//(2)非等方性大気の場合モメント積分が必要になる。//U2n(τ,i7)=-∑[m=1,n][∫[0,1](μ/μ7+1)(m-1)μ(n-m)dμ]((-τ)m)/(2m!)//-(-τ)nlim[ε→0]∑[m=n+1,∞][∫[ε,1](1/μ7+1/μ)(m-1)(μ/μ7+1)ndμ/μ]((-τ)m)/(2(m+n)!)//第1項の積分は普通の積分でありμ=0は特異点でない。そうしてτの冪は分離して積分できる。第2項はμ=0は特異点で"lim"と"Σ"の演算が交換できない。。τmの冪はn≧mの場合n次のモメント積分は分離積分出来、n<mの場合は分離積分出来ない。この考えは散乱関数のτmの冪の係数を求める時に適用される。その結果、非等方性大気の積分でよく行われる散乱位相関数をルジャンドル関数と三角関数に分解することなく、半球上の面積分でτmの幕の係数が求まる。
内容記述: 報告番号: 乙15797 ; 学位授与年月日: 2003-10-27 ; 学位の種別: 論文博士 ; 学位の種類: 博士(理学) ; 学位記番号: 第15797号 ; 研究科・専攻: 理学系研究科
URI: http://hdl.handle.net/2261/51197
出現カテゴリ:021 博士論文
理学

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