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タイトル: フラクタル格子上のパーコレーション
著者: 篠田, 正人
著者(別言語): シノダ, マサト
発行日: 2003年2月21日
抄録: 本論文ではフラクタル格子におけるパーコレーションの問題を考えた.パーコレーションにおいて平行移動不変性のないグラフではZd格子上とどのような違いがあるか,またフラクタルの持つ特別な性質がパーコレーションを考えることで見出せないか,といった点などを動機として研究を行った.//フラクタルはfinite ramifiedであるもの(有限個の点を除去すると不連結になるもの)およびinfinite ramifiedであるもの(有限個の点の除去では分離できないもの)の2種類に分類できる.この論文では前者の典型例であるSierpinski gasket格子,および後者の典型例であるSierpinski carpet格子におけるパーコレーションについて研究した.//まず,Sierpinski gasket格子でのパーコレーションについて考えた.O=(0,0),a0=(1/2,√3/2),b0=(1,0)とする.F0を△Oa0b0の3頂点およびそれらを結ぶ辺からなるグラフとする.{Fn}n=0,1,2,…をFn+1=Fn∪(Fn+an)∪(Fn+bn)で与えられるグラフの列とする.ここでA+a={x+a|x∈A},kA={kx|x∈A},an=2na0,bn=2nb0である.F=∪∞n=0Fnとする.この中の長さ1の辺がそれぞれ独立に確率pでopen,確率1-pでclosedとするbond percolationを考える.Ppを対応する確率測度,Oからopenな辺のみを通って到達できる点の集合をCとする.θ(p)=Pp(|C|=∞)とし,臨界確率をpc=inf{p|θ(p)>0}とする.このときpc=1である.correlation length ξ(p)=lim[n→∞]{-1/nlogPp(O⇔(n,0,...,0))}を定める.この関数がp↑pcでどのような振る舞いをするかを調べた.d次元正方格子ではp↑pcでξ(p)~|pc-p|(-ν)であると予想されているが,このSierpinski gasket格子ではこれと異なった発散のオーダーであることがわかった.//Theorem1 lim[p→1]-logξ(p)/log(1-p)=∞,//さらに//lim[p→1]log(logξ(p))/log(1-p)=-2.//そしてこのときのhyperscaling relationについて考察を行った.また,このξ(p)のオーダーについてはさらに詳細まで計算することが可能であり,他のfinite ramifiedなフラクタル格子(snowflake, pentakun)においても同様に求めることができることを示した.//次に,Sierpinski carpet格子でのパーコレーションについて考えた.一般化されたSierpinski carpet格子をZ2の部分グラフとして定義する.L≧2,T⊂{0,1,…,L-1}2とする.ただし(0,0)∈Tを仮定する.グラフGT=(VT,ET)を以下のように構成する.//VT0=Z2∩{(x,y)|0≦x,y≦1},VT(n+1)=∪[(i,j)∈T](VTn+(iLn,jLn))(n≧0),//VT=∪[n=0,∞]VTn, ET={<u,v>|u,v∈VT,||u-v||1=1}.//L=3,T={(i,j)|0≦i,j≦2,(i,j)≠(1,1)}のときのGTが最も知られたSierpinski carpet格子である.このGTにおけるbond percolationを考え,その臨界確率をpc(GT)とする.Tにどのような条件があればpc(GT)<1となるか,すなわち自明でない相転移が存在するか,を考える.{(i,j)|i∈{0,L-1}orj∈{0,L-1}}⊂Tならばpc(GT)<1という結果がKumagai(1997)によって得られている.これを以下のように拡張した.ここでTl={j|(0,j)∈T},Tr={j|(L-1,j)∈T},Td={i|(i,0)∈T},Tu={i|(i,L-1)∈T}と書くことにする.//Theorem2 任意のt∈Tに対しT\{t}は連結,および|Ti∩Tr|≧2かつ|Td∩Tu|≧2.を仮定する.このときpc(GT)<1である.//また,pc(GT)<1となるためのTの必要条件,およびGTの等周次元と臨界確率との関係についても考察を行った.//Sierpinski carpet格子においてoriented percolationについても考えた.これはopenな辺を通過するとき,右または上向き(各座標成分の正方向)にしか通れない,という制限をつけたものである.特にTが対称性を持つ場合について考えた.L=2a+b(a,b>0),Ta,b={0,1,…,L-1}2\{a,a+1,…,a+b-1}2とする.//Theorem3 a≦bならば→pc(Ga,b2)=1.//この結果は,Z2から取り除かれる部分がある程度大きければoriented percolationにおいては自明でない相転移が起こらないことを示している.よく知られたようにpc(Z2)<1であり,この点においてSierpinski carpet格子とZ2には大きな違いがあることがわかる.なお残念ながら,現段階ではa>bの場合に自明でない相転移があるかどうかはわかっていない.//同様に,Sierpinski carpetの高次元化のひとつであるMenger spongeの格子についても,穴が十分大きければ自明でない相転移歩起こらないことを示した.
内容記述: 報告番号: 乙15568 ; 学位授与年月日: 2003-02-21 ; 学位の種別: 論文博士 ; 学位の種類: 博士(数理科学) ; 学位記番号: 第15568号 ; 研究科・専攻: 数理科学研究科
URI: http://hdl.handle.net/2261/51211
出現カテゴリ:021 博士論文
数理科学

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