UTokyo Repository 東京大学
 

UTokyo Repository >
113 工学系研究科・工学部 >
99 論文博士 >
工学 >

このページ(論文)をリンクする場合は次のURLを使用してください: http://hdl.handle.net/2261/51222

タイトル: 生産システムの自己組織的構成法に関する研究
著者: 藤井, 信忠
著者(別言語): フジイ, ノブタダ
発行日: 2004年9月15日
抄録: 本論文は,生産システムの自己組織的構成法を提案し,計算機実験によりその有効性の確認を行う.生産システムをとりまく外的・内的環境は複雑化しており,生産者はそのような環境の複雑化にうまく適応しながら,市場の要求に合致した製品を迅速に生産し,供給していくために,変種変量生産の実現が必要である.集中管理型のシステム構造を持つ既存の統合型CIMを採用していたのでは,システムの「堅さ」のために生産環境の複雑さに十分に適応することが困難であり,生産システムを自律分散システムとして捉える研究が多くなされている.しかし,従来の自律要素間における分散型問題解決手法は多くはなく,分散人工知能の一つである契約方式によるものがほとんどである.これらの手法は問題をボトムアップ的に処理し,部分から全体へとシステムの秩序形成を行う自律分散システムが本来有すべき特徴を十分に備えているとはいえず,新たな手法の確立が必要である.本研究では,自律分散型の生産システムを構築する一手法として,生産システムの自己組織的構成法を提案する.本研究における生産システムの自己組織的構成法とは「生産システムを自己組織化を用いて構成する方法」であり,自己組織化とは,「生産機械と製品の相互作用により,製造フロアにおける秩序または構造が創発する過程」と定義する.本研究では,自己組織的構成法構築のために,生産要素間の相互作用にポテンシャル場を用いることを提案している.提案手法では,場の相互作用を用いていることから空間的計画と時間的計画を同時に扱うことが可能となるという特徴がある.自己組織的構成法の適用例として,まず,自己組織化によるスケジューリング手法を提案している.提案手法は,自律分散型かつリアルタイムスケジューリング手法の1つであり,さらに搬送システムを考慮したスケジューリング手法であると捉えることができる.多層プリント基板への穴あけ工程に提案手法を適用し,計算機実験を行い,自律的に生産が進む様子を観察するとともに,機械の故障に適応する様子を観察している.また,既存のリアルタイムスケジューリング手法との比較実験を行った結果,同程度以上の生産性を有することを確認している.さらには,自己組織化における自律要素として人間がシステムに参入することもできることを示すために,自己組織化と仮想空間を統合する方法について述べている.構築したシステムにおいて,システムにエンジニアが参入し,人間とシステムとの相互作用が可能となることを示している.次に,自己組織的構成法を用いた設備レイアウト計画手法を提案している.組合せ最適化問題としてレイアウト計画を行うのが困難な半導体生産システムを対象に,製品を流しながらレイアウト計画を行うものである.計算機実験では,自己組織化により得られるレイアウトが,製品のプロセスフローと設備台数等のシステム構成に従い,設備が同心円状に配置されることを確認している.また,熟練者により設計された既存のレイアウトとの比較実験においても,提案手法の有効性を確認している.最後に提案手法はレイアウト設計における工数およびコストの削減にも有効であることを明らかにしている.さらに,自己組織的構成法を利用したスケジューリングおよび設備レイアウト計画手法を発展させ,製造フロア内の全ての生産要素が移動しながら生産が進捗するラインレス生産システムを提案している.ラインレス生産方式が実現すると多品種生産の実現,設備故障等の環境変化への適応性などが実現可能であるという特徴を明らかにしている.自動車溶接工程を対象とし,計算機実験を行った結果,すべての要素が移動しながら生産が進捗する過程を確認している.また,ライン型生産システムとの比較実験の結果,多品種生産環境下での生産性,設備故障への適応性に関して有効性があることを示している.最後に,自己組織的構成法において利用している構成要素の行動ルール自体を自己組織化するために,自己組織的構成法に強化学習を導入し,手法の拡張を行うことを提案している.強化学習を導入することで,局所情報のみを利用していたのでは達成が困難な生産システムの目的を達成することができることが期待できる.段取りを考慮したスループット最大化問題を対象とし,計算機実験を行ったところ,各機械の役割分担およびスループット最大化の達成を確認している.また,実験途中で生産システムの外部環境の変動にあたる注文内容を変更したところ,役割分担の再構成がおこり,結果として再び最大スループットを獲得できることを明らかにしている.以上より,本研究で提案および構築している生産システムの自己組織的構成法は,今後ますます増大すると予想できる生産環境の複雑さに適応できる生産システムの構成法となり得ると考えられる.
内容記述: 報告番号: 乙16079 ; 学位授与年月日: 2004-09-15 ; 学位の種別: 論文博士 ; 学位の種類: 博士(工学) ; 学位記番号: 第16079号 ; 研究科・専攻: 工学系研究科精密機械工学専攻
URI: http://hdl.handle.net/2261/51222
出現カテゴリ:021 博士論文
工学

この論文のファイル:

ファイル 記述 サイズフォーマット
K-216079-1.pdf6.33 MBAdobe PDF見る/開く
K-216079-2.pdf5.44 MBAdobe PDF見る/開く
K-216079-3.pdf6.52 MBAdobe PDF見る/開く
K-216079-4.pdf3.69 MBAdobe PDF見る/開く

本リポジトリに保管されているアイテムはすべて著作権により保護されています。

 

Valid XHTML 1.0! DSpace Software Copyright © 2002-2010  Duraspace - ご意見をお寄せください