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タイトル: Comparative studies on the sex pheromone biosynthesis in moths with a focus on lipid metabolism in the pheromone gland
その他のタイトル: ガ類の性フェロモン生合成に関する比較研究 : フェロモン腺における脂質代謝に注目して
著者: Qian, Shuguang
著者(別言語): 銭, 曙光
発行日: 2011年3月24日
抄録: 生物は個体間の情報伝達において視覚や聴覚を利用すると同時に、化学物質による刺激を重要な伝達手段の一つとして利用しており、その中でも昆虫は、化学物質による情報伝達を高度に発達させた。ガ類は、多くの場合メスが性フェロモンを放出し、その性フェロモンは一般に複数の揮発性化合物の混合である。性フェロモンは交配前生殖隔離の重要な要因であるため、化学物質を正しく生産する仕組みは種の維持に不可欠である。ガ類における性フェロモンは遠方より同種オス個体を選択的に誘引する強力な生理活性を示す事から、現在600を超える種で同定されている。ガ類性フェロモン化合物は、メス成虫の腹部末端に位置するフェロモン腺よばれる節間膜で生合成されるが、末端官能基を含むグループ(Type I)と末端官能基の無いグループ(Type II)に大別される。これらType IとType II性フェロモン化合物は何れも脂肪酸代謝により生合成されるが、その過程の反応経路には大きな違いがある。Type I性フェロモンは直鎖状の炭素骨格と1-3個の2重結合、そしてアルコール、アセテート、アルデヒドに代表される官能基を持つ。これらの成分は、フェロモン腺において、体内に普遍的なパルミチン酸(palmitic acid)やステアリン酸(stearic acid)などの飽和脂肪酸が炭素鎖の短縮や不飽和化、還元といった酵素反応を受けることにより合成される。その一方、Type II性フェロモンは、食物由来のLinolenic acidから合成した炭化水素が原料であると考えられている。それらの成分は腹部にあるエノサイトにより生合成され、フェロモン腺へ運ばれ、そこでエポキシ化等の最終的な化学的修飾が施される事が示されている。ガ類性フェロモン腺では他の組織より肥大した油滴が観察される事があるが、化学成分や油滴そのものの形成のメカニズムが明らかとされているのはカイコガに限られる。カイコガのフェロモン腺には、数多くの油滴顆粒が存在し、その中には性フェロモン前駆体となるトリアシルグリセロールが豊富に含まれている。その油滴は羽化2日前より急激に増大し、羽化後は性フェロモンであるボンビコールの産生に伴って、その数とサイズが日周性をもって劇的に変動する。FATPは哺乳類では6種類のホモログが存在していることが明らかとされており、それぞれが異なった組織で異なった機能を果たしている。しかし、昆虫では、FATPに関する知見が限られている。近年、カイコガの性フェロモン腺からfatty acid transport protein (FATP)が単離され、BmFATPと名付けられた。この遺伝子をRNAi法によりBmfatp発現を抑制した結果、ボンビコール量の半減が認められている。更に、BmFATPは細胞外遊離脂肪酸のフェロモン腺細胞内への取り込み、ボンビコール前駆体の貯蔵体である脂肪滴の形成を促進することにより、ボンビコールの産生を調節することが結論づけられた。本研究では、アズキノメイガ(Ostrinia scapulalis)とキマエホソバ(Eilema japonica)を用いて、Type IとType II性フェロモン化合物の脂肪酸代謝に注目し、FATPを中心としたガ類の性フェロモン生合成に関する比較研究を行った。
内容記述: 報告番号: 甲26884 ; 学位授与年月日: 2011-03-24 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 博士(農学) ; 学位記番号: 博農第3637号 ; 研究科・専攻: 農学生命科学研究科生産・環境生物学専攻
URI: http://hdl.handle.net/2261/51978
出現カテゴリ:021 博士論文
1160220 博士論文(生産・環境生物学専攻)

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