UTokyo Repository 東京大学
 

UTokyo Repository >
118 総合文化研究科・教養学部 >
10 言語情報科学専攻 >
言語情報科学 >

このページ(論文)をリンクする場合は次のURLを使用してください: http://hdl.handle.net/2261/56711

タイトル: 「此身一つ」のゆくえ : 樋口一葉「十三夜」における身分と身体
著者: 平井, 裕香
キーワード: 「十三夜」
明治20 年代
家制度
資本制
語り
発行日: 2015年3月1日
出版者: 東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
掲載誌情報: 言語情報科学. 13, 2015.3, pp. 157-174
抄録: 本稿は、樋口一葉の「十三夜」(1895 年12 月)を、明治20 年代の日本という文脈及び語りの機能に注目して分析する。主人公であるお関の「此身一つ」は、家父長的家制度と資本制の下で、「斎藤の娘」、「原田の妻」、「太郎の母」、「亥之助の姉」という身分に分裂し、身分に応じて労働する身体として疎外されている。《上》におけるお関と「両親」の対話は、このような身体性をお関に自覚させる。また《下》におけるお関と録之助の出会いと別れは、「母」或は「乳母」と「車夫」として「家」の内外に分断された二人が、「おもふ事」を伝え合うことの困難さを明らかにする。しかし語りは、「今宵」のお関に寄り添い続けた「月」の位置をとることにより、掻き消えたはずのお関の「厭や」を録之助のそれと響き合わせ、お関の「此身一つ」を読み手の想像力の中に生かし続ける。「月」に仮託した書き手の視線はまた、それが照らし出す「世」全体にまで及び、「憂き世」を生きる「人」の群の背後にも、「此身一つ」の分裂と疎外の物語を思い描かせる。「十三夜」という小説は、個別の物語と社会の構造とをこのように交差させることによって、抒情性と批判性の双方を獲得している。
URI: http://hdl.handle.net/2261/56711
ISSN: 13478931
出現カテゴリ:言語情報科学
言語情報科学

この論文のファイル:

ファイル 記述 サイズフォーマット
lis1310.pdf789.5 kBAdobe PDF見る/開く

本リポジトリに保管されているアイテムはすべて著作権により保護されています。

 

Valid XHTML 1.0! DSpace Software Copyright © 2002-2010  Duraspace - ご意見をお寄せください