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タイトル: Relationship between the recent dune activities and the rainfall fluctuations in the Southern part of Australia
その他のタイトル: オーストラリア南部における最近の砂丘活動と降水量変動との関係
著者: Ohmori, Hiroo
Iwasaki, Kazutaka
Takeuchi, Kazuhiko
著者(別言語): 大森, 博雄
岩崎, 一孝
武内, 和彦
発行日: 1983年
出版者: 日本地理学会
掲載誌情報: 地理学評論, 56(3), 1983, 131-150
抄録: オーストラリア南部には,最近活動を再開した砂丘が数多くみられる.この再活動については,植生破壊をはじめ,開墾,山火事,羊の食禍,ウサギによる地表攪乱,さらには,サンドバギー等の人為的作用が,再活動の契機として,しばしば指摘されてきた.しかしながら,砂丘活動と気候変動との関係はいまだ系統的には検討されていない.すなわち,砂丘活動と気候変動との関係を,広域的かつ個々の地域ごとに解明し,さらに,砂丘活動史と関連させて考察した研究はいまだみられない.それゆえ,上記の再活動の契機となった人為的活動をいかに評価すべ きか,また,再活動の主たる原因を何に求めるべきであるか,についてはほとんど明らかにされていない.本稿は,地形・地質,植生ならびに聴き取り調査による最近の砂丘活動の変遷と,観測資料および旱魃資料の分析から得られた降水量変動との関係を検討し,気候的側面から砂丘の再活動について考察した.結果を 以下に示す.再活動した砂丘は,大陸規模でみた場合,南部の半乾燥および湿潤地帯に集中してみられる.さらに,これらの再活動砂丘は,固定砂丘群中にパッチ状に分布する.オーストラリア南部の砂丘は,少なくとも更新世後期以降,何度か形成され,新旧の砂丘が混在している.また形成期ごとに砂の再配分が行なわれ,更新世末期から完新世後期にかけて形成された砂丘の砂の厚さは,地域的に大きく異なる.再活動砂丘の分布は,更新世末期以降形成された砂丘砂層の厚さと関係し,厚い所に限られている.すなわち,再活動砂丘のパッチ状分布は,気候の地域的差異によるものではなく ,更新世末期以降の砂丘砂層の厚さのパッチ状分布によると考える.現在活動している砂丘のいくつかは,白人の入植以前から活動していたことが知られているが,大部分は白人入植後の植生破壊以降に再活動したものである.腐植層や不整合に基づいた砂丘砂層序,各時期の砂丘砂上の植生調査,および聴き取り調査によって決定した最近の砂丘活動と降水量変動との関係を検討し,以下の結果を得た.1年以上にわたって,累積月降水量残差が減少し,その減少量が平均年降水最の500ないし600%以上になると,顕著な砂丘活動が発生する.アデレード,シドニーを除くと,気象観測が開始されたのは,多くの地域で1870年代以降である.これらの気象データに よると,砂丘活動を引き起こすような顕著な降水量減少期が頻発するようになるのは,1800年代の末期以降である.白人入植直後の1700年代末ないし,1800年代初頭以降の降水量変動傾向に関しては,農牧業の被害状況や飛砂現象が記載されている旱魃資料を検討した.その結果,大きな旱魃も,1800年代末期以降に頻発していることがわかった.大きな旱魃時には,飛砂現象も顕著であ った.また,気象データのある期間においては,記載された大きな早献は,「顕著な降水量減少期」と一致している.アデレード,シドニ一の気象観測データは,1800年代前・中期は比較的湿潤で,1800年代末以降,乾燥気候が頻発することを示している.以上の検討から,オーストラリア南部における砂丘の再活動について以下のように考える.白人が最初に入植した18世紀末から19世紀末までは,比較的湿潤であ った.19世紀末ないし20世紀初頭以降に,乾燥気候が頻発するようになったが,この時期になって,砂丘の再活動は規模および数において顕著に増加 した.すなわち,砂丘の再活動は乾燥気候の頻発する時代の現象であり,この状態は,大局的にはは,少なくともオーストラリア南部では,今日も継続しているとみることができる.
URI: http://hdl.handle.net/2261/7255
ISSN: 00167444
出現カテゴリ:1162010 学術雑誌論文
014 自然科学

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