WEKO3
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Congo redに対する感受性、2. 細胞壁のグルカン由来のグルコース、マンナン蛋白質由来のマンノース、キチン由来のグルコサミンの3種の糖組成、3. 欠損をもつ細胞壁に対して機能する補償機構の一つである細胞壁蛋白質Cwp1pの発現量増加、の3点について検討した。その結果、Congo redに対し3株が感受性を示した。また、グルコースに対するマンノースの割合(Man/Glc ratio)が野生株と比較して、高いものと低いものとに分類することが出来た。ウェスタン解析により、6株でCwp1pの発現量増加が認められ、細胞壁に何らかの欠損を生じていることが示唆された。 2.KEX2の細胞壁合成における役割とGAS1破壊との合成致死性の解析 取得した遺伝子のうち、KEX2はゴルジ体に局在するdi-basicな部位を認識するプロセシングプロテアーゼをコードしており、取得した変異alleleばかりでなく遺伝子破壊も合成致死を示した。また、kex2破壊株はCongo red感受性であること、Cwp1pの発現量が増加していることから細胞壁に欠損を生じていることが示唆された。そこでKEX2の細胞壁合成における役割とGAS1破壊との合成致死性を詳細に解析した。 2-1.KEX2の細胞壁合成における役割 \"Kex2pはプロテアーゼ活性を通じて細胞壁合成に関与している。\"と仮説をたて、以下の実験を行った。kex2破壊株の低温感受性のマルチコピーサプレッサーとして取得されたMkc7pはmono-basicな部位を認識するGPI-anchor型aspartyl proteaseである。そこでMkc7pがkex2破壊株のCongo red感受性をサプレスするかどうか検討した。その結果、MKC7はマルチコピーでkex2破壊株のCongo red感受性をサプレスした。これは、Kex2pが細胞壁合成に関与する基質分子をプロセシングしていることを強く示唆した。 2-2.Kex2pの細胞壁合成に関与する基質分子の探索 破壊株のうち、Man/Glc ratioが野生株に比べ高くなる株では、グルカンの合成量が減少している可能性が考えられた。そこでβ1,3-、β1,6-グルカンのどちらに影響が出ているのか更に検討するため、β1,6-グルカン欠損株が耐性を示すK1 killer 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酵母GAS1遺伝子の関与する細胞壁生合成機構の研究
https://doi.org/10.15083/00004236
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2013-01-16 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 酵母GAS1遺伝子の関与する細胞壁生合成機構の研究 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
タイプ | thesis | |||||
ID登録 | ||||||
ID登録 | 10.15083/00004236 | |||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||
著者 |
冨重, 斉生
× 冨重, 斉生 |
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著者別名 | ||||||
識別子 | 9692 | |||||
識別子Scheme | WEKO | |||||
姓名 | トミシゲ, ナリオ | |||||
著者所属 | ||||||
著者所属 | 東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻 | |||||
Abstract | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeの細胞壁は細胞の最外層にあって、その形態を規定し、浸透圧変化など環境変化を緩衝する重要な役割を果たしている。この細胞壁はグルカン、キチンの糖ポリマーとマンナン蛋白質によって構成されている。グルカンは、直鎖状のポリマーで骨格となって細胞壁に剛性を与えるβ1,3-グルカンと、それから分枝したβ1,6-グルカンとで構成されている。キチンは、出芽時に出芽部位において合成量が上昇するほかは、細胞壁全体に微量存在している。グルカン、キチンは骨格の強度を保つようにクロスリンクし、マンナン蛋白質はそのグルカンーキチンネットワークの隙間を埋めるように外側を覆い、細胞壁の透過性を制限している。 マンナン蛋白質は、細胞壁への結合様式によってPIR-CWPとGPI-CWPの2種類に分類されている。PIR-CWPがO-糖鎖を介してグルカンに直接結合するのに対し、GPI-CWPはGPI-アンカーによって細胞質膜に一時係留された後、GPI-アンカー内が切断されβ1,6-グルカンを介して細胞壁β1,3-グルカンに共有結合する。GPI-CWPの細胞壁への転移に関与する分子と機構は未だに明らかになっていないが、酵母細胞の生育に必須な過程であり、基礎研究の対象として非常に興味深い。また、人や家畜の真菌感染の際に、GPI-CWPが関与することが知られており、GPI-CWPの細胞壁転移機構は抗真菌剤の有効なターゲットとして、臨床の場においても解明が期待される。本研究は、このGPI-CWPの細胞壁への転移に関与する分子と機構を明らかにすることを目的とした。1.GAS1遺伝子破壊と合成致死を示す変異株の単離 出芽酵母においてgas1破壊株では、β1,6-、β1,3-グルカンの付加したGPI-CWPが培地中に漏出する。そして野生株細胞壁には1-2%しか存在しないキチンが、gas1破壊株では40%まで増加し、GPI-CWPはβ1,6-グルカンを介してこのフラクションにも共有結合するようになる。gas1破壊株はまた、KRE6の破壊により合成致死を示す。Kre6pはβ1,6-グルカン合成酵素と考えられ、その破壊株では細胞壁のβ1,6-グルカン量が50%まで減少する。そこで"gas1 kre6二重破壊株の合成致死性は、β1,3-グルカンやキチンへのGPI-CWPの結合量の極度の減少による"という仮説をたてた。この仮説に基づけば、β1,6-グルカンへのGPI-CWPの転移に働く遺伝子の変異もまたgas1破壊株と合成致死性を示すはずである。そのような遺伝子を取得することを目的とし、gas1破壊株を用いた合成致死スクリーニングを行った。1-1.GAS1遺伝子破壊株を用いた合成致死スクリーニング スクリーニングには、染色体のgas1破壊遺伝子をプラスミド上のGAS1遺伝子で相補しておき、このプラスミドの脱落が許されるか否かを検定する、古典的なade2 ade3の系を用いた。EMS処理した10万コロニーから、プラスミド脱落が許されない合成致死変異株53株を単離した。変異はいずれも劣性であった。また細胞壁β1,3-グルカンのアセンブリーを阻害するCongo redに23株が感受性を示し、細胞壁生合成に関係する遺伝子に変異が入っていることが示唆された。1-2.変異遺伝子の同定 gas1破壊株は細胞壁に比較的重度の欠損を持つため、ade2 ade3の系では、変異を相補する遺伝子ライブラリプラスミドを選択することが困難であった。そこで、Gas1pの発現をGALプロモーターで制御することで、相補活性をグルコース培地上のコロニーの生育で判断できるようにした。 取得した53株のうち,致死性が明らかな14株についてこの系をもちいてクローニングを行ない、9株においてこれまでに合成致死性の報告のあるKRE6、BCK1を含む8種類の変異遺伝子を同定した(Table1)。1-3.破壊株の作製とgas1破壊との合成致死性 上記8変異遺伝子のうち、CSG2と同じステップで機能すると考えられているSUR1、DFG5のホモログであるYKL046cを加えた、10種類の遺伝子の破壊株を作製した(うち2株は購入した)。これらをgas1破壊株とかけ合わせ、四分子解析を行ったところ、5株で合成致死性が確認された。1-4.破壊株における細胞壁生合成の解析 取得した遺伝子の細胞壁合成への関与を検討するため、作製した破壊株を用いて細胞壁欠損時に特徴的な表現型の有無を観察した。1. Congo redに対する感受性、2. 細胞壁のグルカン由来のグルコース、マンナン蛋白質由来のマンノース、キチン由来のグルコサミンの3種の糖組成、3. 欠損をもつ細胞壁に対して機能する補償機構の一つである細胞壁蛋白質Cwp1pの発現量増加、の3点について検討した。その結果、Congo redに対し3株が感受性を示した。また、グルコースに対するマンノースの割合(Man/Glc ratio)が野生株と比較して、高いものと低いものとに分類することが出来た。ウェスタン解析により、6株でCwp1pの発現量増加が認められ、細胞壁に何らかの欠損を生じていることが示唆された。 2.KEX2の細胞壁合成における役割とGAS1破壊との合成致死性の解析 取得した遺伝子のうち、KEX2はゴルジ体に局在するdi-basicな部位を認識するプロセシングプロテアーゼをコードしており、取得した変異alleleばかりでなく遺伝子破壊も合成致死を示した。また、kex2破壊株はCongo red感受性であること、Cwp1pの発現量が増加していることから細胞壁に欠損を生じていることが示唆された。そこでKEX2の細胞壁合成における役割とGAS1破壊との合成致死性を詳細に解析した。 2-1.KEX2の細胞壁合成における役割 "Kex2pはプロテアーゼ活性を通じて細胞壁合成に関与している。"と仮説をたて、以下の実験を行った。kex2破壊株の低温感受性のマルチコピーサプレッサーとして取得されたMkc7pはmono-basicな部位を認識するGPI-anchor型aspartyl proteaseである。そこでMkc7pがkex2破壊株のCongo red感受性をサプレスするかどうか検討した。その結果、MKC7はマルチコピーでkex2破壊株のCongo red感受性をサプレスした。これは、Kex2pが細胞壁合成に関与する基質分子をプロセシングしていることを強く示唆した。 2-2.Kex2pの細胞壁合成に関与する基質分子の探索 破壊株のうち、Man/Glc ratioが野生株に比べ高くなる株では、グルカンの合成量が減少している可能性が考えられた。そこでβ1,3-、β1,6-グルカンのどちらに影響が出ているのか更に検討するため、β1,6-グルカン欠損株が耐性を示すK1 killer toxinに対する感受性を観察した。その結果、kex2破壊株は耐性を示しβ1,6-グルカン合成に欠損を生じている可能性が示唆された。Kex2pはゴルジ体に局在し、ここを通過する基質蛋白質のアミノ酸配列中、KRのC末側を切断する。これらを考慮し、ゴルジ体以降に局在し、細胞壁β1,6-グルカン合成に関与すると考えられる分子について、Kex2pの基質であり、プロセシングにより活性化される可能性を検討している。 | |||||
書誌情報 | 発行日 2002-03-29 | |||||
日本十進分類法 | ||||||
主題 | 463.6 | |||||
主題Scheme | NDC | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(農学) | |||||
学位 | ||||||
値 | doctoral | |||||
学位分野 | ||||||
Agriculture (農学) | ||||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | University of Tokyo (東京大学) | |||||
研究科・専攻 | ||||||
Department of Biotechnology, Graduate School of Agricultural and Life Sciences (農学生命科学研究科応用生命工学専攻) | ||||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2002-03-29 | |||||
学位授与番号 | ||||||
学位授与番号 | 甲17205 | |||||
学位記番号 | ||||||
博農第2401号 |