2024-03-28T18:10:36Z
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oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00003411
2022-12-19T03:45:04Z
34:105:262
9:233:234
Fast phase optimization for condensed energy density with high sound quality
音源のエネルギー密度向上を目的とした位相最適化の高速・高品質化
砂田, 宜宏
8196
547
修士(情報理工学)
近年の音楽編集では、特にポピュラー音楽において、音質の劣化を最小限に留めながら音を大きくするために波形を編集することに多大な労力が払われている。これは音が大きくなることにより音に迫力が出る、環境雑音や再生機器の雑音に埋もれて音が聞き取りにくくなることを防ぐといった効果が期待されてのことである。この目的を達成するため録音後の音源に対し様々な編集が行われるが、現在用いられている手法では音質の劣化は避けることができない。音質劣化の非常に少ないエネルギー密度向上の手法の検討として、音源の位相を変更する手法が近年提案されている。この手法では、音源波形をフーリエ変換を用いて周波数成分へと分割し、その後それらの振幅には編集を加えず、位相のみを変更してエネルギー密度が最大となる位相の組み合わせを探索する。人間の聴覚特性として、音源の位相が変化しても音質の変化が全く知覚されない場合があることが知られており、位相の変化方法が適切であれば非常に小さい劣化でエネルギー密度を向上させられることが期待できる。しかしながらこの手法では、音質の劣化が発生しないような位相の変化について十分な検討がされておらず、音質の劣化が発生してしまっていた。またエネルギー密度が最大となる位相の組み合わせを見つけるために全探索を行なっているため、計算時間も非常に長く、現実的な時間ではおよそ1[dB]から3[dB]程度しかエネルギー密度を向上させることが出来ず、実用レベルに達しているとは言い難かった。本論文では、音源の位相を変更してエネルギー密度を向上させる手法を改良し、音質の劣化を最小限に留めながら高速に音源のエネルギー密度を向上させる手法を提案する。本論文で提案する手法では、位相の変化量を平滑化することにより音質の劣化を抑制する。また探索に最急降下法を用いることにより、高速な探索を実現する。本論文で提案した手法を用い、幾つかの楽曲についてエネルギー密度の向上を行ったところ、およそ5[dB]から7[dB]のエネルギー密度の向上が実現された。またITU-BS. 1116で推奨される方法を用いて聴取実験を行い、音質の劣化が非常に小さいことを確認した。
thesis
2012-03-22
2012-03-22
application/pdf
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jpn