2024-03-28T11:51:54Z
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oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00003420
2022-12-19T03:45:07Z
6:209:271
9:233:234
Study on System Reduction of Power System with Penetration of Photovoltaic Generations
太陽光発電が大量導入された電力系統の縮約
千貫, 智幸
8214
543
修士(工学)
近年CO2排出量削減の要求やエネルギーセキュリティ問題を背景に, 我が国では太陽光発電(Photovoltaic generation :PV)の大量導入が検討されている。しかし, PVは天候の変化に発電出力が大きく依存するなど, 在来の大規模回転発電機とは異なる特徴を数多く持ち, 今後導入量が増加していった場合には電力系統の運用に様々な影響を及ぼすことが懸念されている。本論文では, PVが電力系統の過渡安定度へ及ぼす影響に焦点を当てる。PVが過渡安定度に及ぼす影響を論じる場合には, 下位系統に分散的に導入される多数台のPVをどのように表現するかが一つの問題となる。これは, 今後導入されるPVの多くは住宅用として配電系統に導入されることが予想されるが, 過渡安定度解析において下位系統は一つの負荷モデルに集約されるなどして簡略的に表現されるためである。PVが過渡安定度に与える影響を正確に評価するためには, 下位系統への分散的なPVの導入を反映した系統モデルを用いて解析を行う必要がある。そこで本論文では, 下位系統に導入されたPVが過渡安定度に及ぼす影響を考慮することのできる系統縮約手法を提案する。縮約対象としては, 下位系統の中でも特に将来的にPVの導入量が高くなることが予想される住宅用配電系統を想定する。本論文で提案する縮約手法は, 縮約対象系統を負荷, PV, 系統インピーダンスの構成要素ごとに縮約し, 縮約後の等価回路を集約PV, 集約負荷, および3つの等価インピーダンスによって表わす。提案する縮約等価回路を用いることで, 系統の電圧変動に応じて変化する縮約点の潮流量を, 縮約前の原系統において逐次潮流計算を行うことなく算出することができる。また, 等価回路のパラメータは系統の潮流状態にほとんど依存しないため, ある潮流断面においてパラメータを求めた後は, 負荷の総量とPVの総発電量を把握できれば, 異なる潮流断面においても再度パラメータを更新することなく縮約等価回路を得ることができる。本論文では提案縮約手法の有用性の検証として, 住宅用配電系統モデルに提案手法を適用し, 電圧-潮流特性の解析の精度を評価した。その結果, 提案する縮約等価回路は, 対象系統の負荷特性や潮流断面によらず, PVの導入された縮約対象系統の潮流特性を高い精度で算出可能であることを示した。また, 提案縮約等価回路を用いた一機無限大母線系統の過渡安定度解析結果より, 提案縮約等価回路は, 臨界事故除去時間の算出結果に有意な誤差を与えないことが示唆され, 提案縮約手法の有用性を確認した。これより, 提案縮約手法は, PVの大量導入された系統の過渡安定度解析の効率化および精度向上に資するものであると考える。
thesis
2012-03-22
2012-03-22
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jpn