2024-03-28T19:27:02Z
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oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00005563
2022-12-19T03:46:57Z
27:284:285
9:233:280
イネのbZIP型転写因子OsTGAP1の機能解析
宮本, 皓司
11583
616
University of Tokyo (東京大学)
博士(農学)
植物は病原体の表層由来の物質(キチンエリシターなど)が細胞膜上のレセプターに結合することで、病原体の感染を認識する。そして、これが引き金となって、様々な二次シグナル物質を介したシグナル伝達が起こり、エリシター応答性転写因子の発現が誘導される。発現した転写因子は、下流の標的遺伝子の発現を誘導し、最終的に抗菌性タンパク質の生産や抗菌性二次代謝産物であるファイトアレキシンの生産などの一連の防御応答が誘導される。イネにおいては、15種類のファイトアレキシンが同定されている。このうちフラボノイド型のsakuranetinを除いた14種類はジテルペン型の構造を持つ。ジテルペン型では、momilactoneおよびphytocassaneが主要なファイトアレキシンであることが知られている。また、momilactoneおよびphytocassaneの生合成酵素遺伝子は、イネ染色体上においてそれぞれ遺伝子クラスターを形成していることが明らかになっている。高等植物において二次代謝産物の生合成に関与する一連の酵素遺伝子が遺伝子クラスターを形成している例は、数例しか報告例がなく、その発現制御機構に興味が持たれた。これまでに我々の研究グループにより、キチンエリシター応答性bZIP型転写因子OsTGAP1がmomilactone生合成酵素遺伝子の1つであるOsKSL4の上流域に存在するキチンエリシター応答性シスエレメントに結合し、OsKSL4の転写制御を行う転写因子として同定されていた。さらに、その後のOsTGAP1過剰発現株を用いた解析から、OsTGAP1はOsKSL4以外のmomilactone生合成酵素遺伝子の転写制御にも関与していることが明らかになり、OsTGAP1がmomilactone生産を制御する鍵転写因子として機能することが明らかになっていた。しかしながら、momilactone生合成酵素遺伝子以外のジテルペン型ファイトアレキシン生合成酵素遺伝子の発現制御へのOsTGAP1の関与やOsTGAP1によるmomilactone生合成酵素遺伝子クラスターの転写制御機構などについては未解明であった。そこで、本研究においては、OsTGAP1の機能解明を目的として、OsTGAP1過剰発現株におけるファイトアレキシン生産能の解析やトランスクリプトーム解析を行うとともに、クロマチン免疫沈降法(ChIP)と次世代シークエンサーによる高速シークエンシングを組み合わせたChIP-seq解析によりOsTGAP1の標的遺伝子の網羅的同定を行った。また、OsTGAP1と相互作用するタンパク質の探索も行った。
thesis
2012-03-22
2012-03-22
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甲第28062号
https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/5563/files/39-097045_1.pdf
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https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/5563/files/39-097045_3.pdf
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