{"created":"2021-03-01T06:18:40.163158+00:00","id":2071,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"5a6ede40-3846-48ab-8992-e2155ed6e505"},"_deposit":{"id":"2071","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2071"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00002071","sets":["6:291:292","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2003-03-12","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2003-03-12"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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3章「地震最大応答の特性」では、模擬地震動を用いた時刻歴地震応答解析により、鉄筋コンクリート構造物における地震最大応答の構造物高さ方向の分布特性について検討した。// 構造物の応答変形の分布を決定する第一の要因は、モードの固有周期と応答スペクトル特性の関係である。固有周期の短い構造物と長周期が卓越した入力地震動の組み合わせにおいては、下層部増大型の応答変形分布となる。入力地震動の短周期における加速度応答が増大するほど、あるいは、構造物の固有周期が長くなるほど、高次モードの応答が増大し、上層部増大型の変形分布に遷ることを明らかにした。// 第二の要因は、構造物における部材の耐力の分布である。第一の要因によって下層部あるいは上層部増大型となる入力地震動との組み合わせにおいては、いずれかの部材の曲げ降伏が先行し、一層、変形の集中を増大させる。また、応答変形分布の分布は、部材の耐力の分布の変化、あるいは設計外力分布形に応じて変化する。設計外力分布形をモード比例外力の線形和で表せば、2次の係数の絶対値を増大させる(負側にシフトさせる)ほど、上層部の強度が相対的に高くなり、下層部増大型の変形分布に遷ることを明らかにした。弾性剛性や降伏点剛性低下率の分布の変動の影響についても、設計外力分布形の問題に帰着することができる。// 以上の応答変形分布の特性は、同一のフーリエ位相を有する地震動に関しては明快である。しかし、入力地震動の位相特性の影響は、先に挙げた2つの要因以上に大きいことを明らかにした。ある構造物に対して、同一の応答スペクトルを有し、位相特性の異なる複数の入力地震動を与えれば、応答変形分布が大きく異なる場合もある。本研究では、応答変形分布に及ぼす地震動の位相特性の影響については解明できなかった。// 最大応答層間変位の分布および最大応答層せん断力の分布をモードに展開し、分布の指標として等価最大応答層間変位および等価最大応答加速度を定義した。2次モードの影響は、むしろ最大応答層間変位の方で大きく、逆に、最大応答層せん断力の分布においては3次以上の影響が大きく、最高次まで無視し得ないことを明らかにした。// 4章「漸増載荷解析と外力分布形」では、静的漸増載荷解析における外力分布形の影響について検討した。// 外力分布形としては、弾性固有モード比例形、3次までのモード応答の絶対値和および2乗和の平方根、2次までのモード応答の直和および差分、および層せん断力分布係数Aiによる分布の6種類を採りあげた。モード応答の直和および差分は、他の外力分布形と比較すると、2次モードの影響を極端に見込んだ分布形となる。// 漸増載荷解析で得られる1次等価せん断力-1次等価変位関係においては、部材の降伏点割線剛性低下率の高さ方向分布の異なる構造物や、部分崩壊型の構造物も含めて、外力分布形の選択や縮約時のモードの選定の影響は小さい。構造物を等価な1自由度系へ縮約する際には、弾性1次モード比例外力分布形で漸増載荷解析を行い、弾性刺激関数を用いて展開すれば良い。// 漸増載荷解析で得られる層せん断力-層間変位関係において、梁降伏が先行する場合の降伏層せん断力は外力分布形の影響を受ける。降伏層せん断力は、その層の層せん断力係数が相対的に大きいほど大きくなる。特に上層部の降伏層せん断力について外力分布形の影響が大きく、6種類の外力分布形の中では層せん断力分布係数Aiで最大となる。// 異なる外力分布形による漸増載荷解析結果について、1次等価変位が等しい時の応力と変形の分布を比較した。層間変位および部材の塑性率については、外力分布形の違いによる差が大きく、全体塑性率が大きくなるほど外力分布形の影響が顕著である。外力分布形の違いにより部材の降伏が生じるか否かという差が生じると、該当部材に隣接する層の層間変位の差が大きくなる。// 地震応答における最大応答変形の分布に最も近い変形分布を与える外力分布形を等価外力分布形と定義し、さまざまな構造物と入力地震動の組み合わせについて等価外力分布形を算出した。しかし、等価外力分布形は、構造物や入力地震動の応答スペクトル特性に依存するのみならず、入力地震動の位相特性や強さ(倍率)にも依存するので定式化は不可能であった。// 5章「地震最大応答の簡易評価方法」では、与えられた設計スペクトルに対する鉄筋コンクリート構造物の各部位に生じる地震最大応答を合理的に推定する方法について検討した。// 5.1節では、同一の応答スペクトルにおいて、地震動時刻歴の違いによる最大応答値のばらつきについて検討した。各層の最大応答層間変位に関する変動係数は、その層に隣接する部材の平均塑性率が1.0未満のとき、全層で15%程度である。隣接する部材の平均塑性率が1.0を超える領域では、中下層部の変動係数は25%程度でほぼ一定であり、上層部では上層ほど変動係数が大きい。12階建て構造物の12層では47%程度、30階建て構造物の30層では89%程度である。これらの変動係数をもとに、少ない数の地震動時刻歴による地震応答解析結果から、与えられた応答スペクトルに対する地震最大応答の平均値を推定する方法を示した。// 5.2節では、平面骨組モデルよりも容易な地震応答解析方法として、せん断型多質点系モデルを用いる方法を採り上げ、その問題点と改善方法について検討した。平面骨組モデルの最大応答に対する多質点系モデルの最大応答の精度は、層のせん断バネの復元力特性の選定に大きく影響を受ける。復元力特性は通常、外力分布形を仮定した漸増載荷解析によって評価することになるが、梁降伏先行型の構造物における特に上層部の降伏層せん断力は、選択した外力分布形によって変わってくる。また、せん断型多質点系モデル固有の問題として、特定の層に変形が集中する、応答が正負のいずれかに偏る、という傾向がある。多質点系モデルを用いた地震応答解析による推定する精度を改善する方法として、(1)漸増載荷解析における外力分布形は層せん断力係数Ai分布とする、(2)各層の降伏後剛性は、漸増載荷解析結果をモデル化して得られる値に対して4.0倍に増幅する、(3)最上層部の参照解析ステップを割り増す、という方法を提案した。// 5.3節および5.4節では、縮約1自由度系の最大応答と漸増載荷解析を組み合わせて推定する方法について検討した。位相特性ごとにばらつきが生じる最大応答の上限値を推定することを目標とした。// 5.3節では、高次モードを考慮した最適外力分布形を用いて漸増載荷解析を行い、解析結果に全層に一様な増幅係数を乗じて最大応答変位を推定する方法を検討した。// 最適外力分布形を低次3モードのモード比例外力分布の線形和で表すことにし、2次および3次の係数を変動因子とした。固有周期を変動因子とする構造物群について、応答スペクトルおよび全体塑性率の組み合わせごとに最適外力分布形を算出し、2次および3次の係数は、モードの弾塑性加速度応答値の比率より推定できることを示した。全層に一様に乗じる増幅係数は概ね2.0程度未満であるが、全体塑性率0.8以上1.6未満では、3.0を超える解析例も多い。層せん断力分布係数Ai、1次モード比例外力分布あるいはモードの層せん断力の2乗和平方に比べれば、概ね小さい増幅係数に抑えることができる。しかし、構造物に関する様々な因子を考慮して最適外力分布形における係数を決定する具体的な方法を示すことは困難であった。// 5.4節では、外力分布形をモードの直和および差分とした2種類の漸増載荷解析を行い、そのうちの大きい方を地震最大応答の推定値とする方法について検討した。さまざま構造物、応答スペクトルおよび全体塑性率の組み合わせごとに推定方法の適用性を検討した結果、いずれの解析例においても、モードの直和による漸増載荷解析結果により下層部の上限値が与えられ、モードの差分による漸増載荷解析結果により上層部の上限値が与えられた。特に、最適外力分布形では考慮することが難しかった諸因子を変動させた構造物についても、この2種類の漸増載荷解析による推定方法は有効であった。剛性分布が変化する場合は、外力分布形の算定において剛性低下を考慮した等価振動系による振動モードを用いる方が良い。最大応答層せん断力の推定に関しては、モードの直和および差分でも割り増し係数を用いざるを得ない。最大応答層せん断力は、4次までのモードの層せん断力応答の絶対値和で概ね推定できることを示した。// 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