{"created":"2021-03-01T06:18:41.121913+00:00","id":2086,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"63184d50-d427-4380-9c11-de5b89018eff"},"_deposit":{"id":"2086","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2086"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00002086","sets":["6:291:292","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2003-05-14","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2003-05-14"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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をASICにより開発した。本プロセッサを5個登載するプロセッサボードを16枚接続して80プロセッサシステムを構築している。この他、ホスト計算機との接続を行うインタフェースボード、ビデオ信号の入力や計算結果の出力を行うフレームバッファボードを開発した。これらのボードにはパケット処理用にEMC-Yが登載されており、プロセッサボード間を接続するケーブルの間に挿入する形で容易にシステムの拡張が可能である。また、それらとの通信は、プロセッサ間の通信と同様に細粒度パケットを用いた低レイテンシかつ高スループットな通信が可能である。本プロトタイプ計算機では独自のプロセッサを用いているため、コンパイラを始めとするソフトウェア環境も独自に開発を行った。ブロック転送、バリア同期/リダクション処理、ブロードキャスト、実行トレースなどのライブラリを専用に開発することにより、プログラムからハードウェア機構を有効に利用可能である。//提案したアーキテクチャの有効性を示すために、開発したプロトタイプ計算機を用いて各種ベンチマークによる性能評価を行った。最初に、並列プリミティブの評価を行い、リモートメモリアクセスの静的レイテンシが平均1.3マイクロ秒、2 点間スループットが1Kバイト程度の小さなブロックで35Mバイト/秒と、低レイテンシと高スループットを両立していることを確認した。実行時レイテンシの評価では、全プロセッサが動作しネットワーク上に200Mバイト/秒のデータが流れている状況でも、直接リモートメモリアクセスのレイテンシが2マイクロ秒程度であり、実行時レイテンシが極めて低く抑えられていることを確認した。バリア同期の評価では、局所同期を組み合わせたソフトウェアによる実装であるにもかかわらず、80プロセッサのバリア同期が13マイクロ秒で行えることを確認した。また、カーネルベンチマークとして、行列乗算による評価では、小さい配列サイズから高い並列性能を達成できることを示すとともに、ナップサック問題や三角方程式の評価では、これまで並列化が難しいと考えられていた問題に関しても並列性能を引き出せることを示した。さらに、より大きなマクロベンチマークとして粒子シミュレーションMP3Dとradixソート用いてEM-Xの全体性能について評価を行い、マルチスレッド処理によるレイテンシ隠蔽の有効性や、細粒度通信によるネットワーク負荷の平均化の有効性などを示した。//従来、並列処理おいて性能向上を図るために通信粒度を大きくして通信スループットを向上させる手法が多かったが、本研究の成果によれば、シンプルであるが命令実行パイプラインと密接に融合した適切なハードウェアサポートにより、細粒度な通信のままでもそのレイテンシを削減/隠蔽することにより並列処理性能を向上させることが可能であることを示した。細粒度通信では、わざわざ通信を粗粒度にまとめることが不要であり、より細粒度な処理でも並列処理効果が期待されるため、並列処理の適用範囲を拡大することが可能となる。また、粗粒度通信では各プロセッサが一斉に通信を行うために通信の衝突による性能低下が引き起こされるが、細粒度通信では通信が平均的に散らばるためにネットワークの負荷が平均化され通信の衝突の影響が軽減されるという利点も見られた。","subitem_description_type":"Abstract"},{"subitem_description":"The demand for high performance computing will increase more and more in the future in a large scale simulation and a large-scale server, etc. Parallelization of computer and improvement of the performance of the single processor are indispensable to achieve high performance. But actual performance on parallel computer is lower than the peak performance, that is the multiplication of the number of processors and the performance of the single processor. In general, the parallel overhead tends to increase when the number of processors increases. To reduce the overhead of communication, conventional parallel computer improves the communication throughput and hides the communication time by overlapping with computation time. However, it is necessary to rewrite the program so that one communication may grow to achieve enough throughput and to hide the communication time. And the effect of parallelization is limited to the application that can use the coarse-grained communication. Multithreading is effective in order to reduce a parallel overhead more easily and more widely. In multithreading, threads are switched in order to improve the efficiency of the processor. 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