{"created":"2021-03-01T06:18:42.230603+00:00","id":2104,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"4b9b668c-9b1e-4bb2-8c90-db085e4ce7e7"},"_deposit":{"id":"2104","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2104"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00002104","sets":["6:291:292","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2003-11-13","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2003-11-13"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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機構解明のための資料を得る目的で実験研究を試み一応の結論に達したのでここにその結果をまとめた.//この報告では,強力空中音場として音響管中の定在波を利用したものに限定した.これは音の性質を音圧と音の粒子速度に分けることができ,このことにより放電が音圧または粒子速度のいずれに依存するかを調べることができる.その結果,放電が音の粒子速度の影響を顕著に受けることを見出した.そこで,放電の条件としては,放電のための電極を正極として針, 負極(アース極)を平板の構造とした.また, 印加電圧としては主に直流を用いた. なお,音の条件としては,温度湿度が一定の定在波音場とし,静圧としては大気圧を主として用いた.//このテーマと関連して他の雰囲気ガス中での放電現象,音の周波数20kHzでの放電への超音波の影響などを調べ,またその応用の例として,オゾン発生の促進,スイッチ接点間のスパーク消去,また電気集塵機の集塵効率の高効率化などの新しい利用法も示した.以下これらの内容について各章ごとに記述する.//第1章は緒論を述べたもので,本研究を行うに至った経緯およびその概要と背景について記述した.//第2章では,波動方程式の導出から本研究に用いた定在波音場の性質までを述べ,この音場を発生させるために用いた音響管について記した.さらにこの音響管内の音圧分布,粒子速度分布などにおける互いの関係も示した. すなわち, この音圧と粒子速度の両分布は位置的に1/4波長の位相差をもつことを示した.また周波数660Hz,定在波比100以上での管内の最大音圧の実効値が3170Paの定在波音場を得ることができたことを記述した.なお,このような高音場中での音のエネルギーを利用した応用実験の例として,気体中浮遊粒子の凝集,微小粒子肥大化による音波集塵,などの実験結果を本論の付録として記した.章の後半には,音場中での放電の発光部の挙動について挙げ,その音の影響の機構について論じた.//第3章では, 定在波音場内の払子コロナ放電,間欠スパーク放電, 高気圧グロー放電の挙動について検討した.先ず払子コロナ放電を針対平板電極間に発生させたところ,その発光部が音波照射なしの状態では電極間を細く棒状に橋絡したが,音波を照射すると管軸方向外側へ扇子状に広がる傾向が見られた.払子コロナ放電の発光部は音の粒子速度の大きいほど広く拡がる.すなわち電極の位置を移動させて調べた結果,粒子速度分布の腹の位置で最も拡がった.反面, 粒子速度分布の節の位置(音圧分布最大)では音の影響はほとんど見られなかった.このことから放電は,音圧による作用と粒子速度による作用を比較した場合, 粒子速度の方が大きく影響を受けることを実験的に明らかにした.//また間欠スパーク放電,高気圧グロー放電の場合にも払子コロナ放電と同様に,発光部が音によって扇子状に広がる傾向があることを実験的に確認した.さらに音圧の影響で払子コロナ放電から間欠スパーク放電に,あるいは間欠スパーク放電から高気圧グロー放電に移行する境界での印加電圧の値が変わる現象も見出した.//以上のように,音の影響が各種の放電に影響があることを視覚的および定性的にとらえて,その音の影響の傾向について述べた.//第4章では,間欠スパーク放電を対象にし,強力定在波音場が放電の発光部に及ぼす影響の程度を媒質の変位振幅から検討し,その大きさを数学的に示した.その結果,媒質の振動する幅を音の粒子変位振幅とし,放電の発光部の幅をピークピーク値で求めたところ,発光部は音の媒質の振幅の1.7倍の振幅が得られることを示した.なお,ここでは針対針電極の場合も示し,その結果としては1.3倍の変位振幅を得ていることも併記してある.以上,この第4章での結論としては,発光部の広がりは音の粒子速度に比例するのではなく,粒子速度による粒子変位に依存していることを実験的に明らかにしたことを述べた.//第5章では,高気圧グロー放電を対象にし,強力定在波音場が放電の諸特性に及ぼす影響を定性的に調べた.先ず,高気圧グロー放電の電流波形に及ぼす音の影響を観測し,音の大きさを大きくすると電流波形から間欠スパーク放電へ放電形式が後退することを確認した.次に,高気圧グロー放電のV-I特性を測定した.電極間電圧を一定とするならばその電流の値を音で上昇させることができたので,その定量的なデータを記した.なおここでは,音の周波数による影響についても述べた.//第6章では,音が放電へ及ぼす効果について,媒質との関係を定性的実験として示した.実験に用いた媒質ガスは空気,N2,O2,He,Arである.その結果,音の効果は空気のみの特有な現象ではなく,いずれのガス質でも起こりうる普遍的な作用であることを実験的に証明した.なお,これらの各種ガスの場合も第5章と比較の意味でV-I特性も示した.また,その作用の現れ方とその大きさは,ガス質ごとで異なるという結果も得た.以上より放電への音の影響の物理的意味,放電の発生機構の解明に新たな知見を得た結果をまとめたものである.//第7章では,定在波音場中の放電現象を利用した応用について記述してある.その結果,スイッチ接点間の放電の消滅に効果が認められ,遮断機への応用の可能性を示唆した.また,同様にオゾンの生成量が促進される結果も見られたので,工業的な面でも利用できる可能性を示した.さらに音が放電に及ぼす影響の応用例として,電気集塵装置の放電電極間を高音場にさらすことにより,集塵効率が向上することを見出した.すなわち,音の微粒子凝集作用も含めて,電気集塵装置への音の併用効果が高いことが見とめられたので,これらについても応用の一例として述べた.//第8章では,以上の各章で得られた結果を要約し総括的に結論を述べ,併せて将来の研究に残された諸問題について記述した.//以上,本研究によって,気相中の強力な音波が放電に及ぼす影響に関して,これまでに知られていない種々の諸現象を新たに発見し,その概要を紹介することができたと考えられる.//放電を制御し得る要因の一つとして,新たに強力な音波があることを明らかにすると共に,この現象の利用法も示唆した.これらの結果は,電気工学の特に音響工学の内の超音波工学に,また静電気工学の内の高電圧工学の放電の分野に少なからず貢献すると確信する.","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"乙第15808号"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"6111","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"ナカネ, 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