{"created":"2021-03-01T06:18:42.413512+00:00","id":2107,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"3f4a1135-e164-4af7-9bcf-d2687c391ea9"},"_deposit":{"id":"2107","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2107"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00002107","sets":["27:297:298","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2003-12-22","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2003-12-22"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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の蛋白質溶液と1:1で混合したものをハンギングドロップ蒸気拡散法を用いて行い、最長1.0 mmを越える柱状、あるいはブロック状の良質な結晶が安定して得られる条件を確立した。結晶は斜方晶系の空間群P212121に属し、格子定数はa = 79.6, b = 95.2, c = 140.3 A, a = b = g = 90 °であった。Photon Factoryを中心にX線回折データの測定を行い、1.9 A分解能を越えるデータの取得に成功した。//構造解析は、他のGH10に属するキシラナーゼの触媒ドメインをサーチモデルとした分子置換法を用いて進め、最終的にリンカー部分を除く酵素全体の結晶構造の構築に成功した。触媒ドメインは、TIM-バレルからなっており、触媒溝はTIM-バレルの中心にあるβ-バレルのC末端側に存在する。XBDはサブドメインα、β、γの3つのサブドメインからなる3回繰り返し配列でできた球状ドメインであり、その構造はβ-trefoil 構造をとっていた。また、これまでに植物由来ガラクトース結合レクチンとして認識されてきたリシンB鎖と類似していることが明らかとなった。両ドメインをつなぐリンカーのうちの9残基は電子密度が観察されず、リンカー部分は高い可動性があることにより構造は同定されなかった。//次に、本酵素の基質認識機構を解明するために、キシロオリゴ糖として、キシロース、キシロビオース、キシロトリオース、それ以外にラクトース、ガラクトース、グルコースとの複合体構造を決定した。各糖の複合体は全てソーキング法により作製し、ラクトース、ガラクトース複合体は常温で、それ以外は糖自体を不凍液とし、低温下でX線回折データを収集した。クライオ法で決定した構造では、リンカー部分の電子密度も確認できた。キシロオリゴ糖との複合体の解析では、触媒溝における -3 〜 -1、+1 〜 +3 のサブサイト構造、および、XBDのサブドメインαとγのキシラン結合機構を明らかにした。また、リシンのガラクトース結合部位と同じ部位でXBDではキシランを認識すること、その際の糖の結合様式は異なることを明らかにした。さらに、ラクトース、ガラクトース複合体では、XBDはどちらの糖にも結合し、その結合様式はリシンのものと同じであることから、XBDはガラクトース結合レクチン能も持ち合わせていることが明らかとなった。3つのサブドメインでは糖結合に関与するアミノ酸が配列、構造ともに厳密に保持されていることから、XBDは3つの部位でキシランを認識することが可能であると考えられた。//さらに、4-O-メチルグルクロノキシロオリゴ糖、アラビノキシロオリゴ糖との複合体構造の解析では、FXYNの側鎖を有するキシランに対する結合様式を明らかにした。また、側鎖を有するためリガンドが非対称になったことから、キシロオリゴ糖との複合体では決められなかった糖の方向も決定することができ、その結果、XBDのキシラン結合部位はキシランに対し、2つの方向に結合することができることも明らかにされた。//以上のことから、XBDは基質結合部位を3つ持っており、それぞれが基質を2つの方向に認識できることにより基質結合の可能性を高めていること、可動性のリンカーを介して触媒ドメインとXBDがお互いに自由に動けるため、触媒ドメインがXBDの結合した基質に近づく可能性を高めていることなどを利用して、FXYNは不溶性の基質に対して非常に効率的な反応機構を採用して機能していることが明らかとなった。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"乙第15841号"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"6117","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"フジモト, 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