{"created":"2021-03-01T06:18:43.905929+00:00","id":2131,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"91605300-3f39-48bc-aa18-50b14888468d"},"_deposit":{"id":"2131","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2131"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00002131","sets":["6:291:292","9:233:280"]},"item_7_alternative_title_1":{"attribute_name":"その他のタイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"アート、エンターテイメントとメディア技術の相関がディジタル文化の多様性に果たす役割"}]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2001-09-20","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2001-09-20"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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科学・技術と社会との関係性において一般に、科学上の発見や新しい技術が社会に受容される過程は既存の文化の影響を受ける。長い歴史の中で培われてきた価値観や世界観、生活様式、表現、コミュニケーションの方法など、すなわちそれぞれの社会に固有の文化が科学・技術の発展の道筋や方向性に重大な影響を与えることは、例えば西欧と日本の科学史、技術史を比較すれば現象的に明らかである。// しかしある社会においてそのシステムや文化の枠組みが変化するには、相当の時間を必要とする。なぜなら、文化の表層的な部分は変化したように見えても、それらの表層的要素の根っこの部分を支える世界観やものの見方は長期にわたって残り、表層部分に影響を与えたり折に触れて浸みだしてくるからである。そのため、今日のように科学・技術が急激に発展する社会では、科学・技術によって実現された世界観や社会システムと既存の世界観との間にずれが生じ、個人間・世代間にも適応の違いなどが起こる。これらは社会的な軋轢の原因にもなり得る。映像メディア技術やディジタル技術がわれわれのものの見方に引き起こしつつある変化と、長年培われた文化の間に生じるずれは、すでに顕在化しつつある。このような文化の成立及び社会の変化の過程と科学技術の発達との差異と相互作用によるずれは、さらに大きな変化に至るプロセスヘと発展する可能性がある。メディア技術が社会に与えた影響として、歴史上では例えば印刷術の発明が宗教改革を含めた大規模な社会変革を引き起こすに至った過程などが知られている。//\n 以上のように、科学・技術と文化・社会とは相互に影響し合う双方向的な関係にある。このような関係性の中で、急速に発展するディジタル技術が社会に文化的な豊かさをもたらすべく順調に発展するように、そして文化的枠組みの変容がスムースに進み、社会的なひずみに至らないようにするためには、科学技術と文化との関係性に関する分析と評価、それらに基づいたディジタル技術応用の指針が必要であり、そのためには、人間の感性や感覚やものの見方に立脚して技術を捉え直す視点が不可欠であると考える。// アートやエンターテイメントには、その時々の社会・文化を基盤とした人間の感性・感覚、ものの見方や世界観が集約された形で現れる一方で、新しいものの見方や新技術の先取りや批判精神の表現などが先鋭的な形で含まれる。科学や技術が解釈され、受容される過程が文化の影響を受けるとさきに述べたが、アートやエンターテイメントはまさに、科学や技術によって常に影響されつつ、人間の感性やものの見方に基づいて科学や技術を解釈し、意味づけることによって、社会が科学や技術の発展とそれによる世界観の変化を受容するプロセスの中で大きな役割を果たしてきた。アートの場合には特に実験的・先鋭的な解釈や表現が新たな見方を切り開き、エンターテイメントの場合には一般大衆に受け入れられやすい形で解釈・表現し、広く普及することによって、それぞれ影響を与えてきたと言えよう。// 本研究は上記のような現状認識と問題意識に基づき、今日のメディアアートとディジタル技術との関係性及び、社会の文化的背景の中において芸術、科学、工学と文化が相互に連関しながら変化する過程を分析し、それによって、アートとテクノロジーの相互的な作用の過程を明らかにしようとするものである。// アートとエンターテイメントという視点を通じてディジタル技術やその背景となっている科学的な知見の発展が人間にもたらしつつある外界認識の変化を考察する上で、本論文で扱っている主要なテーマは、アートの概念の変化、生命観、空間認識の枠組み、の3つである。いずれもあくまでもアート、エンターテイメントと科学・技術・文化との関係性において具体的な事例に基づいて分析することによって、今までに述べたような相互の連関のあり方を明らかにし、また、日本のディジタルメディア文化について、アート及びエンターテイメントの分野で社会の持つ文化的特質とテクノロジーとの相互作用がどのように生じ、いかなる方向性をもたらしているかについて明らかにしようとするものである。本研究の最終的な目的は、以上の分析及び考察により、これからのディジタル技術の応用のあり方と社会におけるアートの役割について有用な知見を得ることにある。// ディジタル技術が社会に与えた、あるいは与えつつあるインパクトに関しては社会、文化、工学等それぞれの視点に基づく多くの研究及び著作があり、本論文もそれらを参照している。この分野全体に対して本論文が寄与できる部分はごく僅かなものに過ぎない。しかし、メディアアートと工学というテーマについて歴史的視点と現在の展望を総合した分析は少なく、また、本論文の中でも述べている理由によりアートと大衆文化を切り離して論じているために、社会の文化的背景の中におけるアートとテクノロジーの相互作用という視点に立つ研究成果は少ない。さらに従来の研究は西欧中心のものが多く、日本の視覚文化と現在のディジタルメディア文化との関係性を扱った研究は稀である。以上の理由により、本論文のテーマと分析方法はいくばくかの新規性と固有の成果をもたらしたと考えている。// 以上のような問題意識に基づき、本論文では、アートと社会、アートとテクノロジー、アートと文化、テクノロジーと文化、という4つの視点から、アート、エンターテイメント、テクノロジー、サイエンス、文化の相互的関わりについて考察する。// 第一章では、アートの歴史におけるテクノロジー応用の発展と現代のメディアアートに至るアートの流れを「システム化」という概念から分析し、その先端的な現れとして人工生命概念のアートへの応用について考察を行う。これによって、アルゴリズムを応用するアートの形態やインタラクティブ・アートの位置づけについて「システム化」という概念から捉え直し、メディアアートの新しい統合的な解釈を提示しようとするものである。// 第二章では、この人工生命という概念に至る生命概念の変遷の歴史の中で、文化、科学、工学がどのような相互作用に基づいて発展し、その中でアートがどのような役割を果たしたのか、また異分野間での影響の枠組みや、技術が思想に及ぼした影響についての総合的な関係性の解読を行う。// 第三章では、遠隔ロボット技術とそのメディアアートへの応用及び、身体をインタフェースとしたシステムの分析を行い、通信技術が人間に与える認知・世界観・身体観の変容についての分析と考察をアートの視点より行う。ここでは現代美術の主要概念が遠隔ロボット技術や身体に関わるディジタル技術の応用によってどのように拡張されたかを示す。また、技術による身体概念の拡張に関する問題提起を示す。// 第四章では、以上の分析によって得られた知見と方法論に基づいて、日本文化とディジタルメディア技術との関係性についての考察を行う。現代の日本のメディアアート及びエンターテイメントの特質について分析し、さらに日本の伝統的視覚言語及び生命観について具体的事例に基づいて分析する。これにより、日本の美術的伝統における三次元的空間認識の不在と主観尊重型の空間構成が、並列的な価値観や人間至上主義ではない生命観と共に、直線透視法の逆とも言える世界観を総合して形成していること、このような文化においてテクノロジーの受容過程と既存のパラダイムとの相互作用がどのように生じるかについて明らかにしようとするものである。以上の考察に基づき、現代日本のメディアアート・エンターテイメントの特質がテクノロジーの発展と文化的背景との相互作用から独自の成果を生み出すに至ったことを示す。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"乙第15155号"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"6165","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"草原, 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