{"created":"2021-03-01T06:19:24.815373+00:00","id":2797,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"70505af3-f02b-4b25-b59c-bc64bf2e579b"},"_deposit":{"id":"2797","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2797"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00002797","sets":["125:293:304","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2005-04-27","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2005-04-27"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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mg/dLを超える確率を5%以下とし,PTHが目標範囲100〜200pg/mLになる確率を最大とする推奨投与量を逐次的に算出した。無対照一般臨床試験のデータから予測モデルを構築し,新たな臨床研究で予測モデルに基づく適応的投与量変更の性能と実施可能性の検討を行った。//PTHと補正Caの推移は初期の変化が大きく,次第に均衡値に近づく曲線でのモデル化が適当であると考えられた。また,投与量が適宜変更されるが,ある時点の反応はその時点の投与量だけではなく過去の投与量にも依存すると考えられた。このような要求を満足する単純なモデルとして,本研究では,反応を直前の反応と共変量に回帰させる条件付線型モデルによるアプローチを採用する。従来の条件付線型モデルに一般的な変量効果を導入し,誤差構造を拡張した条件付線型混合効果モデルを新たに提案し,その行列表現を与える。さらに,PTHと補正Caを同時に予測するために,2変量条件付線型混合効果モデルに拡張を行う。これによりPTHと補正Caに患者ごとに投与量により異なる均衡値を定め,互いに影響を与え合いながら均衡値に向かって推移することが表現できる。//2.研究方法//i番目(i=1,…,N)の対象者の時点0から時点Tiの反応ベクトルをYi=(Yi,Yi,1,…,Yi,Ti)Tとする。次のモデルを条件付線型混合効果モデルとして提案する。//ここで,Fiは対角のすぐ下の要素が1で,他の要素が0の正方行列で,FiYi=(0,Yi,0,Yi,1,…,Yi,Ti-1)Tであり,ρは前値への未知の回帰係数である。βは未知の固定効果のパラメータベクトル,Xiは固定効果の説明変数行列,biは未知の変量効果ベクトル,Ziは変量効果の説明変数行列,εiはランダムな誤差ベクトルである。biとeiはどちらも対象者間で独立で,互いに独立に平均0で共分散行列がそれぞれGとRiの多変量正規分布に従うとする。ρ≠1を仮定し,(1)式を次のように反応の変化Yi-FiYiを表す式に変形する。//0<ρ<1の時,(l-ρ)-1(Xiβ+Zibi)は均衡値として解釈でき,共変量は均衡値を調整する。PTHと補正Caを同時に予測するために,反応が2変量の場合に拡張した,次の2変量条件付線型混合効果モデルを用いる。ただし,PTHは事前の検討で当てはまりが良かった(Y0.25-1)/0.25のBox-Cox変換を行う。//2変量の場合も反応の変化を表す式に変形でき,PTHと補正Caのそれぞれの均衡値は患者ごとに投与量の一次式で表せる。//予測モデル構築のため,二次性副甲状腺機能亢進症患者を対象とし,多施設でmaxacalcitolを個体内用量可変で26週間投与した無対照一般臨床試験のデータを用いた。予測モデルに基づく適応的投与量変更の性能と実施可能性の検討を行うため,別の二次性副甲状腺機能亢進症患者を対象とし,新たに臨床研究を行った。Maxacalcitolの投薬を週3日24週間行い,補正Caは1週ごと,PTHは2週ごと測定し,2.5μg刻みに0〜20μgの各投与量を投与した場合の次週のPTHと補正Caの予測と推奨投与量の算出を毎週行った。医師は,今までの臨床検査値の推移や,図に示すような各投与量でのPTHと補正Caの90%同時予測信頼領域,補正Caが11.5mg/dLを超える確率,PTHが目標範囲100〜200pg/mLとなる確率,推奨投与量等の情報を参照して,次回投与量を決定し,推奨投与量と実際の投与量が異なる場合にはその理由を記した。//結果//一般臨床試験の149人のデータを解析対象とし,予測モデルを構築した。表に2.5μg増量したときのPTHと補正Caの均衡値の変化,つまり用量反応性の集団の分布を示す。//適応的投与量変更の臨床研究は2001年10月から2002年6月まで29人を対象に行った。投与終了時にPTHは平均52%(標準偏差23.1%)減少した。496時点中28時点(5.6%)で高カルシウム血症(補正Caが11.5 mg/dLを超える)が発現した。予測値と実測値の差の2乗の平均の平方根は補正Caでは0.487mg/dL,PTHでは104pg/mLであった。予測値が95%同時予測信頼領域に含まれた割合は91.3%であった。4例15時点で推奨投与量よりも7.5μg以上高い投与量が選択され,その理由は「PTHが高い」であった。3例19時点で推奨投与量よりも7.5μg以上低い投与量が選択され,その主な理由は「イライラの症状がある」,「PTHが低い」であった。//考察//2変量条件付線型混合効果モデルを新たに提案し,PTHと補正Caが患者ごとに投与量により異なる均衡値を有し,互いに影響を与え合いながら均衡値に向かって推移することを表現した。このモデルを無対照一般臨床試験のデータに当てはめた結果,患者間の用量反応性の違いが大きく,患者ごとの用量反応性を考えて投与量選択を行う必要性が確認された。//適応的投与量変更の臨床研究では,高カルシウム血症の発現割合は設定した5%に近く,安全にかつ高い改善を達成できた。予測性能は実用的に満足できるレベルで,治療上の混乱もなく情報支援は現実の診療上も実施可能性が高いと考えられた。多時点先や均衡値の予測を組み合わせることにより推奨投与量算出のアルゴリズムはさらに改善できると考えられた。本疾患のように,患者間で薬剤に対する用量反応性が大きく違ううえ,投与量が適宜変更されるなか,2つ以上の反応を同時にコントロールする複雑な状況において,予測値と推奨投与量の情報提供を行い,投与量や治療方針の決定の参考にすることは,日常の臨床現場の負担を軽減することとなり有用であると思われる。//従来,PTHや補正Caは臨床試験で経時的に測定されているものの,投与量が適宜変更されること,個体間差が大きいこと,相関の高い多(2)変量データであることなどから用量反応の計量的な検討が難しかった。本研究では統計モデルにより,均衡値を要約指標として用量反応を検討した。提案したモデルは反応性予測や投与量選択以外に,薬効評価,重症度評価,治療方針の決定,治療目標値設定などへの応用が考えられる。いずれの状況においても,2変量を同時に考える統計モデルが有用である。ただし,これを他の疾患に応用しようとする場合には,統計モデルより得られる結果は均衡値の存在などいくつかの仮定に基づくことに注意することが必要である。//まとめ//統計モデルに基づく将来の予測値から安全で有効な推奨投与量を患者ごとに各時点で算出する方法を提案した。予測のため,2変量条件付線型混合効果モデルを新たに提案し,PTHと補正Caが患者ごとに投与量により異なる均衡値を有し,互いに影響を与え合いながら均衡値に向かって推移することを表現した。実際に統計モデルによる予測と推奨投与量の算出による情報支援を適応的投与量変更の臨床研究として行った結果,高カルシウム血症を予防しながら投与量を決定するために有用であった。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"乙第16248号"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"7366","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"フナトガワ, 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