{"created":"2021-03-01T06:19:25.983422+00:00","id":2816,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"45d84bbd-1619-4029-8fb8-a88f9c5bedd5"},"_deposit":{"id":"2816","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2816"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00002816","sets":["6:291:292","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2004-02-12","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2004-02-12"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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FEMによるシミュレーションを行う際には,バラスト層の変形係数として荷重レベルの大きい部分のバネ係数に相当するヤング率を用いることで,荷重レベルの小さい領域に含まれる非線形性の強い部分影響を取り除いて路盤圧力の評価を行うことができることが分かった。//以上の検討結果により,地盤のパラメータを適切に設定することで,弾性解析による3次元FEM解析で列車荷重下における路盤の変形挙動を適切に評価できることが確認できた。そこで,実物大の強化路盤を対象としたFEM解析(図3)を行い,求められたアスファルトコンクリートのひずみからアスファルトコンクリートの破壊基準を用いることで耐用年数の試計算を行った。解析の結果,アスファルトコンクリートのひずみは路盤のたわみ形状ではなく,離散的に配置されたまくらぎの位置の影響を強く受けることが明らかとなった。すなわち,まくらぎ直下では引張りひずみが生じるが,まくらぎ中間部ではひずみが小さく,路盤や路床の条件によっては圧縮ひずみが生じることが分かった。この傾向は模型実験の結果でも同様であった。また,引張りひずみの卓越する方向は,路盤の厚さや路床の剛性によって変化するため,引張りひずみを評価する際には最大主ひずみを用いるのが適切であること判断した。この方法によって,現行の設計標準における強化路盤の寿命を推定したところ,妥当な厚さであることが確認されたが,列車本数の少ない区間では現在よりも路盤を薄くできることが分かった。//一方,繰返し載荷による残留沈下については,移動荷重載荷を行うと地盤内の主応力の方向が変化することにより,沈下量が大きくなることが従来から指摘されていた。本研究では,小型軌道模型を用いた試験により,移動荷重載荷と定点載荷の違いによる,繰返し載荷における残留沈下について検討を行った。その結果,移動荷重載荷では定点載荷の3〜6倍程度残留沈下量が大きくなることが分かった。この原因として,主応力方向の回転の影響に加え,軌道の構造的な要因が大きく影響していることが分かった。定点載荷では載荷点直下の地盤の変形が相対的に大きくなるため,レール剛性による荷重の分散効果によって載荷点直下に作用する応力が繰返し載荷とともに減少し,それが残留沈下量に大きな影響を与えていると考えられる。まくらぎ受ける荷重の大きさが残留沈下量に与えるの影響については,まくらぎ1本の模型に対して載荷荷重を段階的に変化させた繰返し載荷試験を行うことにより検討を行った。その結果,載荷荷重を5%程度減少させただけで残留沈下量が半分程度に減少することが分かった。つまり,荷重履歴を受けている地盤では,それより小さい荷重を受けても残留沈下はあまり生じないため,載荷中に荷重分担率が刻々と変化する定点載荷では残留沈下量が小さくなると考えられる。一方,地盤内の主応力の回転量をFEMにより求めた結果,まくらぎ直下の応力が高い位置では主応力の回転がほとんど生じないことが分かった。すなわち,鉄道では不連続に配置されたまくらぎを介して地盤に荷重が伝達されるため,道路を走行する車輪の場合のように,まくらぎ直下では連続した主応力の回転は生じない。ただし,深い位置では複数のまくらぎによる応力が重なり合って主応力は回転しているため,主応力の回転の影響は無視できないが,鉄道の場合には主応力の回転の影響に加え,軌道の構造的な要因が大きいことが分かった。//以上のように,本研究では鉄道路盤の変形メカニズムを詳細に検討した上で,新しい強化路盤の設計方法を提案した。また,移動荷重載荷試験と定点載荷試験の結果から,載荷方式による路盤の変形特性の違いを明らかにした。本研究によって,鉄道路盤の弾性挙動については定量的な評価を行うことができることが分かった。一方,繰返し載荷による塑性変形については変形のメカニズムが明らかになり,定性的にはその挙動について評価することが可能となった。今後の課題として,繰返し載荷による軌道および路盤の残留変形を定量的に求める方法を検討することが必要である。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"乙第15886号"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"7404","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"モモヤ, 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