{"created":"2021-03-01T06:19:28.150815+00:00","id":2851,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"03d1f6fe-f400-4c26-ad6b-c21aa01f0697"},"_deposit":{"id":"2851","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2851"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00002851","sets":["6:291:292","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2006-03-15","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2006-03-15"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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1-2)。Ru-Pt触媒は、RuとPtの長所を上手く受け継ぎ、メチン基水素開裂や触媒表面からの水素生成脱離が比較的容易に進行するため、優れた複合効果を示すと考えられる(Fig.2)。液相懸濁式反応では触媒表面において吸着水素種が吸着アセトンと反応してイソプロポキシドや2-プロパノールを再生するため、反応速度が低下するが、過熱液膜式反応では、脱水素反応の阻害となる触媒上への生成アセトンの再吸着が液相懸濁式反応よりも大幅に抑制できるため、高アセトン濃度域においても高い触媒活性を維持できることを明らかにした。//また、触媒前駆体(RuCl3, K2PtCl4, RhCl3, PdCl2)の2-プロパノール溶液にTiO2粉末(石原産業,アナターゼ型)を加え、光還元法によりTiO2担持貴金属触媒を調製し、紫外光照射下における2-プロパノール光脱水素反応について検討した結果、光脱水素反応では触媒表面からの吸着水素種や吸着アセトンの脱離が非常に速やかに進行し、更に反応生成物の吸着阻害は熱的な反応のそれよりも非常に小さいことを明らかにした。//高アセトン濃度域においても高い2-プロパノール脱水素反応速度を維持するには、触媒自体の活性向上だけでなく、生成物が速やかに触媒上から脱離し、触媒への再吸着が抑制されるような反応条件を設定することが重要になる。このような観点から液膜式反応や光触媒反応についてさらに検討を重ねる必要があると考えられる。//水素/アセトン系電池//水素/アセトン系電池の特徴を明らかにするために、炭素担持貴金属触媒によるアセトン水素化反応、反応用セルの内部構成と出力特性の関係、正極におけるアセトン水素化反応速度を向上させる要因等について検討した。ポーラスカーボンプレート(昭和電工)、カーボンフェルトおよびカーボンクロス(クラレ化学,B.E.T.比表面積:1500m2/g)に触媒前駆体(RuCl3, K2PtCl4)水溶液を含浸させ、水素還元を行うことにより、炭素担持貴金属触媒を調製し、アセトン水素化活性を測定するとともに、電極触媒として用いた場合の電池出力特性を測定した。//RuやPtだけを炭素に担持した触媒よりも、両者を複合担持した方が高いアセトン水素化活性を示した(Fig. 3-1, 3-2)。2-プロパノール脱水素反応と同様に、金属の複合化によって困難な反応素過程がなくなったためと考えられる。また、ポーラスカーボンよりも比表面積の大きいカーボンクロスやカーボンフェルトに担持した方が高活性だった。金属が高分散担持されたためと考えられる。//カーボンクロスおよびカーボンフェルトにRuとPtを複合担持した電極触媒を用いて水素/アセトン系電池を構成した。電池の起電力およびその温度依存性はアセトン水素化反応のギブスエネルギー変化から算出される値とほぼ等しかった。さらに反応物質が電解質膜−電極界面に速やかに到達するような内部構成をとり、電解質膜と電極の接触状態を良好に保つことにより電池出力が大きく改善され、最大で電極面積4cm2あたり120 mAの短絡電流値が得られた。//正極、負極の触媒量を変えて出力特性を検討した結果、電池特性の向上には正極のアセトン水素化反応速度を高めることが重要であることが明らかとなった。正極液に希硫酸を加えプロトン濃度依存性について検討した結果、開放起電力はプロトン濃度に依存しないが、短絡電流値はプロトン濃度が高いほど大きくなった。プロトン濃度が上昇することにより正極のアセトン水素化反応が促進されたため、と考えられる(Fig. 4-1, 4-2)。//2-プロパノール/アセトン系電池//水素の代わりに2-プロパノールを液相のまま負極に供給し、負極上で脱水素反応を進行させることができれば、2-プロパノール脱水素反応器が不要な2-プロパノール/アセトン系熱再生型電池を構成できる。水素/アセトン系電池で良好な活性を示したRu-Pt複合触媒を使用し、2-プロパノール/アセトン系電池の基礎特性を検討した。その結果、2-プロパノール/アセトン系の開放起電力は水素/アセトン系よりも著しく小さく、その理由は負極における見かけ水素圧が極めて小さいため、と結論された。//見かけ水素圧を高めることを目的として、スピルオーバー現象に着目し、高い水素スピルオーバー能を持つPdにメチン基水素開裂能を有するRuやFeを複合させた触媒を調製し、2-プロパノール脱水素活性と水素スピルオーバー能について検討した。さらにこれらの触媒を負極に用いた時の電流電圧特性を測定し、水素スピルオーバー能や触媒活性が、開放起電力や短絡電流値に及ぼす影響について考察した。//触媒前駆体(RuCl3, K2PtCl4, FeCl2, Na2PdCl4)を様々な割合で含有する水溶液に高表面積活性炭(関西熱化学,B.E.T.比表面積:3100m2/g)を加え、水素化ホウ素ナトリウム水溶液で金属種を還元して活性炭担持金属触媒を調製し、沸騰還流もしくは過熱液膜条件における2-プロパノール脱水素反応を行った。気相水素生成量、液相中のアセトン転化率および触媒金属量から触媒のスピルオーバー能を算出した。//Pd-Fe, Pd-Ru, Pd-Ru-Fe, Pt-Ru, Pt-Fe触媒による液膜式2-プロパノール脱水素反応では、いずれも高いアセトン転化率を示した。Pd系触媒は高い水素スピルオーバー能を有し、特にPd-Fe (Pd/Fe=14)とPd-Ru (Pd/Ru=10)が高い水素スピルオーバー能(各々46.3, 55.5)を示した(Fig. 5)。//これらの触媒を負極に用いて2-プロパノール/アセトン系電池を構成した。高い水素スピルオーバー能を示すPd系触媒はPt系触媒に比べ大きな起電力を与えた(Fig. 6)。スピルオーバーにより負極の水素圧が定常的に高められたためと考えられる。短絡電流値については液膜式2-プロパノール脱水素反応におけるアセトン転化率が高い触媒ほど大きな値を与えた (Pd-Ru>Pd-Ru-Fe>Pt-Ru>Pd-Fe)。短絡電流値の大きさは負極の水素供給速度すなわち脱水素反応速度に強く依存するためと考えられる。本電池の出力特性を改善するには、高い水素スピルオーバー能と大きな2-プロパノール脱水素反応速度を有する触媒が必要であると結論された。//熱再生型電池システム構築への展望//2-プロパノール/アセトン/水素系熱再生型電池のエネルギー変換システムとしての可能性について検討した。水素/アセトン系電池の出力密度及び2-プロパノール/アセトン系電池に液膜式脱水素反応を適用した場合の出力密度を試算し、他の低品位熱エネルギー変換システムと比較した。//水素/アセトン系電池の内部抵抗が水素/酸素系燃料電池並み(500 mA/cm2で100 mVの電圧低下)になると仮定すると、50 mV, 250 mA/cm2程度(12.5 mW/cm2)の出力が得られると考えられる。一方2-プロパノール/アセトン系の起電力は負極の水素活動度に依存する。負極において液膜式2-プロパノール脱水素反応を効率良く進行させることができ、且つ電池内部抵抗が水素/酸素燃料電池並みに低減されれば40.0mW/cm2程度の出力を得ると試算された。この出力密度は太陽電池や熱電変換素子を用いた発電方式に比べ相対的に高い値であり、低品位熱利用システムとして有効であることが明らかとなった。//結論//2-プロパノール/アセトン/水素系熱再生型電池の各要素技術について検討を行った結果、低品位熱の有効利用方法として有望な技術であることが示された。本電池は、外部からの燃料供給を必要とせず、低品位の熱エネルギーさえあれば発電を行うことが可能である。さらに、2-プロパノール/アセトン系電池では、負極における液膜式脱水素反応と水素スピルオーバー現象を利用することにより、起電力を一層高める可能性が示された。//今後は、各要素技術について更に検討を進めるとともに、システム側からの検討を進めることが重要になると考えられる。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"乙第16506号"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"7474","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"アンドウ, 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