{"created":"2021-03-01T06:19:28.211557+00:00","id":2852,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"4dbf303b-ceca-4625-aa36-0eea69e73d3a"},"_deposit":{"id":"2852","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2852"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00002852","sets":["6:291:292","9:233:280"]},"item_7_alternative_title_1":{"attribute_name":"その他のタイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"Research on the fluidity mechanism of the fresh mortar based on the free water which examined from volume of floated water of the fresh 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本来、コンクリートは、高い潜在耐久性能を持っているにもかかわらず、建設後、数年で補修を要する構造物が見られる場合があり、その一因として、コンクリートの充填不良が指摘されている。その原因の一端には人的要因も介在するため、非常に複雑な問題であるが、そればかりでなく、フレッシュコンクリートの流動性評価に関する問題点も内在していると考えられる。フレッシュコンクリートの流動性評価には、様々な要因が混在し、簡便で、かつ、正しくこれを評価することは困難である。その背景には、コンクリートに使用される材料の多様性、供用される環境条件の変化やコンクリート自身の経過時間に伴う物理的・化学的変化、あるいは、評価方法の確立が不十分であること等が考えられる。// それに対して、流動機構解明や評価方法の検討に関して様々なアプローチの研究が行われている。例えば、粒子間ポテンシャルから始まり、液相組成、セメント化学、表面化学などからのミクロ的なアプローチであったり、マクロな性状を捉えた各種粘塑性式、固液混相系のレオロジーといったマクロ的なアプローチ等の研究が挙げられる。しかしながら、これらの研究結果が実務に生かされている例はほとんど無いと言え、経験則に基づく旧来的な配合設計や流動性評価が行われているのが現状である。包括的な流動機構の解明や有用性の高い評価方法あるいは配合設計手法の確立が望まれている。// 本研究は、マクロ的な特性である流動性状を、固体粒子の接触や接触の際の摩擦というミクロ的な視点で捉えることによって、これまで明らかではなかった粒子の分散・凝集状態や流動機構の本質に迫ることを目的としたものである。その有効な手段として、モルタルに遠心力を加えたときの浮き水量(遠心分離水量)から遠心分離水粉体容積比(WcsP,%)を定義し、このWcsPと流動性状の関係からWcsPの意味を詳細に分析し、流動性に寄与する水を表す指標として、新たに自由水比(WfP)を導き出した。同時に、これが粒子の接触頻度に相当する指標であるとの結論に至り、粒子の分散・凝集状態や固体粒子間摩擦を明らかにすることが可能となった。更には、流動性に寄与する水の概念を基に、水や高性能AE減水剤(SP)が流動性に与える影響を評価する事や、より合理的な流動性の評価手法の確立が可能となった。// 以下に、本論文の構成を簡単にまとめ整理する。// 第1章では、研究の背景について述べる。// 第2章では、以下の項目で分類する既往の研究について述べる。//(1)粒子間相互作用と分散・凝集//(2)粒子の分散・凝集とレオロジー//(3)自己充填コンクリートの配合設計に見る流動指標//(4)遠心脱水関連// 第3章では、本研究で提案する遠心力を加えたモルタルの浮き水量から得られるWcsPが示す意義および本研究のアプローチについて述べる。モルタルに適正な遠心力を作用させると、粒子に拘束されない水や粒子間の間隙に存在する水を除いた残りの水が、浮き水として分離可能である。この水は粒子間の空間を表す量であり、フレッシュモルタルの流動性状と関連性が高い水であると考えらる。これにより、流動性状に及ぼす水の役割を定量的に示すことが可能となり、更には分散剤の分散効果を定量的に評価することが可能となると考えられる。// 第4章では、主にWcsPと流動性状の関係について述べる。WcsPは、変形性(Γm)や粘性(Rm)といった流動性状と特徴的な関係を示し、また、配合条件に対しても特徴的な関係を示した。このことから、WcsPの持つ意義を詳細に考察した結果、以下の知見が得られた。//(1)WcsPとΓmは直線関係にあり、SP添加量(SP/C)に応じてその傾きと切片が変化し、この直線群は、Γmが負の領域で焦点を結ぶように位置した。この焦点におけるVw/Vpは、SP/Cによらずほぼ一定の値(72%)を示した。このことより、この焦点におけるモルタルの状態は、言うなれば\"自由水がゼロ\"の状態であり、この焦点を原点とするWcsPこそが、流動性に寄与する自由水を定義するべきものであることを明らかにした。//(2)同時に、この焦点以下のVw/Vpでは、配合(Vw/VpやSP/C)に依存せず流動性が一定であったことから、配合に依存せず一定の流動性に寄与しない拘束水(絶対拘束水)を見出した。//(3)このときの遠心加速度条件としては、概ね500〜1000G程度であれば、最適な加速度条件を求めなくとも、本来定義すべき焦点からのWcsPが自由水を示す指標(WfP)であり、十分に流動性を記述することが可能であることが分かった。// 第5章では、元来、流動性は粒子の接触頻度と摩擦によって決定づけられる性状であるとの観点から、第4章で得られた自由水を示す指標であるWfPを用いて、粒子の凝集状態や粒子間摩擦について考察した結果以下の知見が得られた。//(1)配合とWfPの関係から、SPの添加による凝集状態の変化について考察し、セメント分散系の凝集状態はSP添加量に応じて、強凝集領域・遷移領域・分散領域の3つの領域に区分することができることを示した。各領域における凝集状態の違いを簡潔に述べると、強凝集領域では、凝集体が多く存在し、ペンジュラーあるいはファニキュラー状態を残した状態、すなわち凝集体内部に水と非接触な面を有する凝集体も存在する状態であり、さらには、このときの凝集体は毛管力によって比較的に強い凝集力(凝集体の内部摩擦が大きい)を有していると考えられる。遷移領域では、このような凝集体内部の摩擦が大きい凝集体が徐々に減り、かつ、凝集体の凝集径自体も小さくなると考えられる。分散領域では凝集体内部は完全に濡れた状態で、凝集体の解消も頭打ちとなった定常状態であると考えられた。//(2)この凝集状態の領域区分は、WfPとRmの関係からもその妥当性が確認され、WfP-Rm関係におけるWfP-Rm直線のシフトおよび収束といった特徴的な変化が見られた。この変化は、SPによる凝集体の解消作用であり、粒子間摩擦の変化をもたらしていることを明らかにした。//(3)粒子間の摩擦は、凝集体表面摩擦と凝集体内部摩擦に区分され、変形性指標であるΓmは凝集体表面摩擦に支配され、粘性指標であるRmは凝集体内部摩擦に支配されていることを明らかにした。// 第6章では、第4章および第5章で述べた流動機構に関する概念が他の材料条件や環境条件においても適用可能か否かについて検証した。その結果、少なくとも対象としたペーストのケース、フライアッシュモルタルのケース、環境温度が異なる場合のセメントモルタルのケースにおいて、適応可能であると判断された。このことは、本概念がセメント分散系に限らず、一般の固液混相系の流動機構に対しても、適用可能であることを示唆するものである。また、WcsP-Γm関係の焦点位置やWcsP-Rm関係の収束線の位置は、それぞれの材料や環境条件の特性を反映していることが明らかとなった。// 第7章では、WfPが同定されたことによって、拘束水やSPが流動性状に与える影響を捉えることが可能となり、更に、このWfPによる流動性状の定式化を基に、新たな配合設計手法を提案することが可能であることを示す。//(1)拘束水を4つの観点で分類し、化学結合によって消費される拘束水(化学結合水)、固体粒子表面と水の双極子モーメントの相互作用などによって粒子表面に拘束される水(表面吸着水)、水和生成層が形成された際に水和生成層内で水和生成物の間隙に存在する拘束水(水和生成層内拘束水)、固体粒子を最密に充填した場合に粒子間に存在する水(峡間水)の4つに拘束水を分類した。絶対拘束水比を与える自由水がゼロの状態における拘束水を、仮定に基づいて上記の4つの拘束水に分類した結果、拘束水の内訳は、それぞれ15.8、0.6、21.9、61.7%と算定された。このことから、自由水がゼロの状態における粒子表面の水和と粒子の配列状態は、\"水和生成層は非常に薄く、太くて短い結晶がセメント粒子表面の約半分の面積を覆っている\"水和モデルとなり、この水和生成層で覆われた粒子がかなり密に配列したモデルとなった。また、Vw/Vpの増加による拘束水の増加を想定すると、自己充填モルタルおよび、普通モルタルの水和生成層厚は増し、針状結晶に近づくモデルとなることを示した。//(2)WfPが一定の場合において、任意のSP添加量におけるΓmとプレーンモルタルのΓmを比較することによって、SPの分散効果を定量的に示した。//(3)また、異なるSPを使用したケースにおいて、各々の分散効果や凝集構造の違いを明らかにした。このことは、分散機構に基づいた分散剤の材料設計が可能となることを示唆しており、本研究が工学的にも十分に意義があると考えられる。//(4)この流動機構を支配するWfPによる流動性状の定式化を基に、数多くのデータ取得を行わなくとも、簡易的に配合条件から流動性状を求める方法を提案し、実用上、十分な精度が得られることを示した。しかしながら、この配合設計手法の適用範囲については、材料の種類や環境条件のファクターをどのように盛り込むかなどの検討が十分ではなく、今後の課題として残っている。// 第8章は本論文のまとめである。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"乙第16522号"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"7476","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"ナガミネ, ヒデノリ"}]}]},"item_7_identifier_registration":{"attribute_name":"ID登録","attribute_value_mlt":[{"subitem_identifier_reg_text":"10.15083/00002846","subitem_identifier_reg_type":"JaLC"}]},"item_7_select_21":{"attribute_name":"学位","attribute_value_mlt":[{"subitem_select_item":"doctoral"}]},"item_7_subject_13":{"attribute_name":"日本十進分類法","attribute_value_mlt":[{"subitem_subject":"511","subitem_subject_scheme":"NDC"}]},"item_7_text_22":{"attribute_name":"学位分野","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"Engineering (工学)"}]},"item_7_text_24":{"attribute_name":"研究科・専攻","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"Department of Civil Engineering, 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