{"created":"2021-03-01T06:20:00.685875+00:00","id":3372,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"1e8ca513-e44d-459c-b003-3e891ea79d9a"},"_deposit":{"id":"3372","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"3372"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00003372","sets":["125:197:357","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2009-03-23","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2009-03-23"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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gp96など)が必要であることが判明してきた。アクセサリー分子は様々な機能によりTLRを制御しており、これら分子の解析および機能同定がTLRを介した免疫応答に対する理解を飛躍的に進展させると考えられる。//本論文において、私はTLR4のアクセサリー分子として発見されたPRotein Associated with Tlr4 ( PRAT4A)が複数のTLRの免疫応答を統合的に制御する分子であることをPRAT4Aノックアウトマウスの解析を通じて明らかにする。//PRAT4Aノックアウト(PRAT4A KO)マウスより得られた骨髄由来樹状細胞(BM-DC)、骨髄由来マクロファージ(BM-Mφ)、脾臓B細胞、マウス胚線維芽細胞(MEF)では、細胞表面に分布するTLR4、TLR1、TLR2およびTLR関連分子であるRP105の細胞表面発現が消失または減少していた。TLRファミリー以外の分子の細胞表面発現には全く影響が認められなかった。一部のPRAT4A KO細胞では、TLR2、TLR4、およびRP105の細胞表面分布が残存することより、TLRの細胞表面への移行はPRAT4Aを含めた複数の分子により制御されていると考えられる。//これらの現象に伴い、PRAT4A KO BM-DC、BM-MφおよびMEFでは、細胞表面TLR(TLR1/2, TLR2/6, TLR4)のリガンド刺激に伴うサイトカイン産生などが消失、もしくは顕著に低下していた。また、PRAT4A KO脾臓B細胞においても、それらリガンド刺激により誘導されるB細胞増殖やCD86の発現上昇が顕著に抑制されていた。この事実は、細胞表面TLRの細胞表面における分布がリガンド認識において重要であることを示している。//一方、TLR1やTLR4の細胞表面発現が完全に消失しているPRAT4A KO細胞において、これらのTLRリガンドに対する一部の免疫応答が残存もしくは全く影響を受けないという現象が認められた。この事実は、細胞表面がリガンド認識の場であると考えられている細胞表面TLRが細胞内でもリガンドを認識し得ることを強く示唆するものである。特に細胞表面におけるTLR4の分布が消失しているPRAT4A KO BM-Mφの解析より、マクロファージの細胞内TLR4は特にTRIF依存的な免疫応答を選択的に活性化することが強く示唆された。//細胞表面TLRの免疫応答に加え、全てのPRAT4A KO 細胞では細胞内TLR(TLR7, TLR9)の免疫応答も完全に消失していた。細胞内に分布するTLR9も小胞体からリソソームへ移行することが知られており、この細胞内移行がリガンド認識に必須である。RAW細胞を用いてPRAT4A欠損がTLR9の細胞内移行に与える影響を解析したところ、PRAT4AノックダウンによりGFP標識TLR9(TLR9GFP)の小胞体からリガンド認識の場であるリソソームへの移行が消失し、TLR9GFPがリガンドと出会うことが出来なくなっていた。この結果より、細胞表面TLRに加えて細胞内TLRの細胞内分布にもPRAT4Aが必須であることが示された。一方で、TLR3リガンドに対する免疫応答はPRAT4A欠損による影響を受けていなかった。//in vitroの結果より、複数のTLRにおける免疫応答がPRAT4Aにより統合的に制御されていることが示された。実際の病原体は複数のTLRリガンドを有しており、PRAT4Aの欠損は病原体に対する免疫応答を顕著に消失させることが予測される。Heat-killed Mycobacterium tuberculosisやHeat-killed Escherichia coliに対するPRAT4A KO BM-DCの応答性を解析した結果、全てのサイトカイン産生が有意に低下していた。一方、これらバクテリアにより誘導される共刺激分子リガンドの誘導、即ち樹状細胞の成熟は全く影響を受けていなかった。またOVAをM.tuberculosis含有フロイント完全アジュバントと共にPRAT4A KO骨髄キメラマウスの皮下に接種したところ、OVAに対する免疫応答は認められたものの、TLRを介して誘導されるTh1偏向の免疫応答が完全に消失していた。これらの結果は、PRAT4Aが主にサイトカイン産生のバランスを制御することで獲得免疫応答の質を変化させていることを示唆している。//更に、P PRAT4AのmRNAレベルでの発現量は、様々なTLRリガンド刺激に伴って顕著に減少していた。この事実は、PRAT4Aの発現量が変化することでTLRの応答が制御されている可能性を強く示唆するものである。実際、PRAT4A KOキメラマウスはLPSで誘導されるエンドトキシンショックに対して完全に抵抗性であり、PRAT4Aの消失が生体内における過剰な免疫応答を抑制し得ることが示された。//以上の結果より、PRAT4AはTLRの細胞内分布を制御する分子であり、TLR3を除く複数のTLR(TLR1/2、2/6、4、5、7、9)の免疫応答に必須の分子であることが判明した。またPRAT4Aの欠損に伴うTLR応答の変化は生体内における自然免疫応答および獲得免疫応答に多大な影響を与えることが示され、TLRアクセサリー分子の一つであるPRAT4Aの発現制御を介する新たなTLR制御機構の存在が示唆された。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲第24786号"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"8123","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"シバタ, 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