{"created":"2021-03-01T06:20:53.532425+00:00","id":4229,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"3650caa1-3cad-4fd1-aa3d-866c5297c512"},"_deposit":{"id":"4229","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"4229"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00004229","sets":["110:315:320","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2011-12-07","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2011-12-07"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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12.2%]増加し、降水極値が9.3%[4.7%, 12.4%]増加すると見込まれる([]内は不確実性の幅)。降水極値の変化については、水蒸気量の増加による熱力学的寄与が1℃の昇温で5.6%と見込まれ、台風強度に関係する不確実性の幅が相対的に小さい。過去の顕著な台風は、構造物の設計外力や防災対策の指針などに反映されてきた。本手法は、任意の昇温量に対する変化を直ちに算出できるため、構造物の設計外力などに応用する際も、耐用年数に依らず、将来の様々な発展経路の可能性に対して一般的に利用できる。得られた結果は、地球温暖化の適応策に直結し、定量化された不確実性の情報はリスク管理にとって有用である。さらに、排出シナリオと台風強度の不確実性の比較から、地球温暖化の緩和策も考慮した上で、実施すべき施策の優先度を評価するための基礎情報も得られる。本研究では、地球温暖化による熱帯低気圧の変化として、合理的な根拠のある強度のみを扱った。強度以外の要素については、自然の気候変動の理解、ならびに気候予測技術の向上に合わせて、今後検討すべき課題である。簡易気候モデルも含め、本研究で構築した気候予測法は、気候科学と地球温暖化対策との橋渡しの役割を担っている。気候科学の高度化とともに、その役割は今後益々重要になり、さらなる発展が期待される。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"乙第17592号"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"9660","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"ツツイ, 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