{"created":"2021-03-01T06:20:54.326114+00:00","id":4242,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"2546b544-ebd1-4b9c-b91f-450f5be1a010"},"_deposit":{"id":"4242","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"4242"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00004242","sets":["27:289:290","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2002-03-29","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2002-03-29"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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その結果、排水に伴う泥炭土の沈下挙動は、著しい初期沈下、供試体からの排水を伴う緩慢な沈下、水分移動がほぼ終了した後に生ずる極めて緩慢な一定速度での沈下の3つの過程からなることを見出した(Fig.1)。また、2?10週間の実験期間で生じた全沈下量は、供試体初期高さに対するひずみに換算して、高位泥炭土供試体で3.7?11.5%、中間泥炭土供試体で2.4?2.9%であり、全沈下量の3割から5割を開始から数分のうちに生ずる初期沈下が占めていることを明らかにした。排水がほぼ終了した後の一定速度沈下過程における沈下速度は、高位泥炭土供試体で2.5?3.7cm/yr.、中間泥炭土供試体で1.2?2.9cm/yr.であり、時間に対する線形性の高さ、及び既往の研究に見られる野外調査結果から、有機物の分解消失が主因とする沈下過程であることが示唆された。さらに、水位履歴を与えた沈下実験により、排水に伴う沈下は非常に不可逆性が高く、水位履歴に伴って進行する沈下は排水過程において生じていること、沈下は水位の回復により抑制できることを明らかにした。 続いて、全沈下量に対して大きな割合を占め、且つこれまで沈下解析の対象外とされてきた初期沈下の機構を明らかにすることを目的として、初期沈下実験を行った。初期沈下はその量が大きく、また極めて短時間のうちに生ずることが予想されたため、実験の再現性を重視し、外乱の少ない均質な試料としてペーパータオルを積み上げたものを泥炭土の模擬試料として用いた。初期沈下実験として、沈下挙動に焦点を当てた沈下測定実験、初期沈下過程における有効応力変化の把握を目的とした自重測定実験、及び間隙水圧分布変化の把握を目的とした水圧測定実験の3種類の実験を行った。 沈下測定実験の結果、水位低下の終了する前後で供試体の沈下挙動が明らかに異なっていたことから、初期沈下過程を水位低下中の沈下過程と定義した。また、初期沈下過程におけるひずみの増加が供試体各部において同時に生じていることを確認した(Fig.2)。自重測定実験の結果、供試体底面における、水位低下と浮力の喪失による有効応力の増加との関係を明らかにした。水圧測定実験の結果、初期沈下過程中の間隙水圧分布の変化を把握した。さらに、水圧測定実験によって得られた初期沈下過程中の間隙水圧分布の変化から、初期沈下過程において供試体内の透水係数及び間隙水圧勾配が一定である、という近似をおいて間隙水圧分布の変化モデル化し、これに有効応力の原理を適用して初期沈下過程における有効応力分布の時間変化を定式化した。 初期沈下実験の結果に基づいて、初期沈下挙動のモデル化を行った。まず、定式化した有効応力分布の時間変化から、水位低下速度に有効応力の時間増加率は比例する、という関係式を導いた。続いて、沈下測定実験の結果を基に、有効応力の増加に供試体のひずみの増加は比例する、という仮定をおいて、初期沈下挙動を表すモデルを導いた。 得られた初期沈下モデルは、初期沈下実験による実測の沈下曲線をよく表した。また、モデル中の変形係数と供試体初期層厚との間の比例関係を見出し、これを実験的に確認することによって、モデルの実際の地盤層厚への適用法を得た。さらに、初期沈下モデルが泥炭土供試体の初期沈下挙動に対して適用できることを実測によって確認し、高位泥炭土の変形係数を定めた(Fig.3)。 続いて、初期沈下モデルを用いて実際規模の地盤沈下量の予測を行った。初期沈下モデルは、水位低下量から沈下量を予測するモデルであることから、Dupuit-Forchheimer仮定による楕円公式を用いて排水路掘削時の水位低下量を予測し、初期沈下量を求める方法を提案した。さらに、既往の研究による値及び不攪乱泥炭土柱状供試体を用いた沈下実験の結果から水位低下後の分解消失による沈下速度を3cm/yr.として初期沈下量に加え合わせ、野外試験における15年間での沈下量と予測沈下量とを比較した。 その結果、高位泥炭地に46m間隔で深さ1.5mの排水路を掘削した場合の初期沈下量の予測値は、排水路間中央で9.0cm、排水路近傍で14.3cmとなった。また、排水路掘削後15年での全沈下量の予測値は、排水路間中央で54.0cm、排水路近傍で59.3cmであったことから、全沈下量のうち16.7?24.1%が初期沈下、残りが分解消失沈下であると評価された。また、この沈下予測に基づく地表面分布は実測の地表面分布をよく再現した(Fig.4)。 さらに、予測沈下量に対して初期沈下モデル中の定数及び泥炭土層の飽和透水係数がどのように影響するかを検証したところ、排水路を深く掘削する場合にはモデル中の定数の評価が、浅い排水路の場合には泥炭土層の飽和透水係数の評価が厳しく問われるという留意点を得た。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲17190"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"9686","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"イイヤマ, 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