{"created":"2021-03-01T06:20:55.189362+00:00","id":4256,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"43b20bdf-fd26-4862-a1d7-458f35482de0"},"_deposit":{"id":"4256","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"4256"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00004256","sets":["27:214:366","9:233:280"]},"item_7_alternative_title_1":{"attribute_name":"その他のタイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"T cell responses in feline immunodeficiency virus-infected cats"}]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2004-03-25","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2004-03-25"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of 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cDNAを、末梢血単核球由来cDNAよりPCRにより新たに同定した。ネコCD2のアミノ酸配列中には、ヒトやその他の動物のCD2分子の立体構造・細胞内シグナル伝達に重要な配列が高度に保存されていた。ネコCD2分子を発現させその単クローン抗体(SKR2)を得た。SKR2抗体はネコCD2発現細胞-ヒト赤血球間で認められるロゼット形成を阻害した。これらのことは、ネコと特にヒトのCD2の構造および機能の類似性を示すものと考えられた。SKR2抗体は、T細胞に加え単球の検出にも有用であった。本抗体は第六章でも用いた。インテグリンαL鎖CD11aは、T細胞と抗原提示細胞等との接着に重要な分子である。T細胞受容体(TCR)は、T細胞の抗原特異的な応答を規定する分子である。CD122は、IL-2受容体を構成するβ鎖で、IL-2によるシグナル伝達に必須の分子である。昆虫細胞発現ネコCD11aを用いて抗ネコCD11a単クローン抗体TMM11aを得た。ネコTCRαおよびTCRδの定常領域に、ネコCD2(第一章)のシグナルペプチド領域をN末に、ヒスタグ配列をC末に付加して発現させた。ネコCD122のcDNAをPCRにより新たに同定し、C末にヒスタグ配列を付加して発現させた。これらの発現により、TCRやCD122分子に対する抗体作製などが容易になると考えられた。TMM11a抗体は第六章でも用いた。抗体が認識する細胞表面分子を同定する場合に発現クローニング法は極めて有効である。そのスクリーニングが短時間かつ簡便に行なえる方法を確立した。モデルとして、CD4+ MYA-1細胞のcDNAライブラリーからの、抗CD4抗体によるCD4 cDNAの同定を試みた。ライブラリー導入法としてレトロウイルスベクター、ライブラリー導入細胞としてミエローマ、選択法としてパンニングを用いた。その結果、わずか6日間の培養および3回の培養液交換のみでスクリーニングを終え、効率よくCD4 cDNAを得ることができた。第三章で確立した方法を、FIVと反応する細胞表面分子の同定に応用した。ライブラリー導入細胞の保持には、抗体ではなくウイルス液を用いた。その結果、FIVとの結合性を有するヘルパーT細胞活性化抗原OX40 (CD134)を同定した。OX40は単にFIVとの結合性を有する分子であるだけでなくリンパ球指向性FIVの感染に必要な分子(受容体)であり、FIV抗原特異的なCD4+細胞にFIVが感染することがFIVの病態の根底にあると考えられた。FIV感染により、感染ネコの末梢血リンパ球(PBL)にはCD8β鎖の減少したCD8+細胞が増加し、一方CD4+細胞は減少する。抗CD8α・抗CD8β・抗CD4抗体を用い、FIV TM2株感染ネコのPBLの機能解析を行なった。CD8α+β+細胞のみでなく、CD8α+β-細胞およびCD4+細胞もFIV増殖抑制作用を持つことが明らかとなった。いずれの細胞集団による抑制作用も、少なくとも一部はMHC非拘束性・抗原非特異的である可能性が示された。抗FIV活性を主に担う細胞は個体により異なり、病態進行の指標となりうるCD4:CD8比との関連も認められなかった。白血球共通抗原CD45は、T細胞の分化段階(ナイーブやメモリー等)により発現型が変化する分子である。主要組織適合抗原複合体(MHC)は、抗原提示を行なう分子である。FIV感染ネコのPBLにおけるCD2・CD11a・CD45RA様およびMHC II分子の発現について、CD4もしくはCD8 (αおよびβ鎖)分子発現との関連性、または細胞サイズもしくは細胞内顆粒との関連性をフローサイトメトリーにより解析した。CD8α+ PBL中には、CD8β鎖の発現減少を伴うCD11a分子発現増加・細胞内顆粒増加・MHC II分子減少を示す亜群が存在した。CD8α+ PBLのCD45RA様分子の発現量は様々であった。このような表現系の多様性はCD4+ PBLでは認められず、FIV感染は主にCD8+細胞群に様々な変化を誘導するものと考えられた。CD56は神経細胞接着分子(N-CAM)の一つの型(140 kDa型)で、NK細胞や一部のT細胞に発現する分子である。昆虫細胞発現ネコCD56を用いて抗ネコCD56単クローン抗体を得た。本抗体はフローサイトメトリーのみでなくイムノブロット解析にも用いることができた。ネコCD56分子は培養ネコT細胞(CD4+およびCD8+)およびMYA-1細胞株に発現しており、N-CAMの140 kDa型ではあるが高度にシアル化されていると考えられた。これらのことは、ネコCD56がヒトCD56と似た性状や分布を持つことを示すと考えられた。抗ネコCD56単クローン抗体は第八章でも用いた。MYA-1細胞はFIVに高感受性・IL-2依存性のネコリンパ芽球細胞株である。MYA-1細胞のCD56発現・長期培養のFIV感染性への影響を解析した。長期培養によりMYA-1細胞のCD56陽性率は増加し、CD56+ MYA-1細胞はCD56- MYA-1細胞に比べより多くのFIV(抗原)を産生(発現)し、またCD4分子はFIV感染によってより減少した。長期培養のMYA-1細胞では、FIVによる細胞変性効果の出現は起こりやすくなったが、FIV産生量は減少した。FIV感染の解析における、本細胞株の培養期間の重要性が示唆された。本研究により、FIV感染制御におけるCD8+ T細胞(時にCD4+ T細胞)の重要性や、CD8+ T細胞内に見られる多くの亜群の存在が示された。免疫応答機構の解明には、さらに多くのネコ分子の同定やリガンド同定・サイトカイン定量・抗原性解析等を行なう必要性が示唆された。ワクチン開発に直接役立つような結果は得られなかったが、著者の研究により明らかになった上述の多くの事実は、今後のFIV/ネコ研究の確固たる礎となるはずである。またアレルギーや自己免疫疾患等の分野にも貢献するものであると期待する。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲19233"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"9714","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"シモジマ, 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