{"created":"2021-03-01T06:20:56.224442+00:00","id":4273,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"534eac64-99f0-41a2-8aed-567190865b11"},"_deposit":{"id":"4273","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"4273"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00004273","sets":["27:123:367","9:233:280"]},"item_7_alternative_title_1":{"attribute_name":"その他のタイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_alternative_title":"The distribution,community structure and feeding ecology of micronektonic crustaceans in the subarctic Pacific and theBering 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pacifica、Thysanoessa inspinata及びT.longipesは、昼間はより深層に分布し、夜間は海水面あるいは水面付近にバイオマスのピークを示し、広範囲の日周鉛直移動を示した。アミ類の優占種3種の内Gnathopausia gigasのみは日周鉛直移動の傾向がみられたが、Eucopia grimaldiiとBoreomysis californicaは昼夜ほぼ同じ深度に分布した。Sergestes similisでは夜間のバイオマスのピークは表層に位置し、最も広範囲を移動する十脚類であった。Hymenodora frontalisは夜間中層内で上昇する傾向がみられ、昼間より100m浅い深度にピークが見られた。また、オキアミ類が優占する表層内の種多様性は、十脚類とアミ類が優占する中層よりもより多様だった。甲殻類マイクロネクトンの優占種における摂餌生態甲殻類マイクロネクトンのうち摂餌生態の知見に乏しい十脚類とアミ類の食性を明らかにするため、北太平洋亜寒帯域の4測点においてRMT8を用いた昼夜12層の鉛直区分採集を行った。得られた試料から個体数で優占する十脚類3種(Sergestes similis、Bentheogenema borealis、Hymenodora frontalis)およびアミ類1種(Eucopia grimaldii)を実体顕微鏡下で解剖し、消化管内容物を分析した。摂餌選択性、消化管充満度、および消化の程度を調べ、生息深度や時間、性別による違いを調査した。さらに、餌の分布との関係を調査するために、RMT1を用いて同時に採集した餌生物の深度分布と、甲殻類マイクロネクトンの消化管内容物の分析結果を比較した。十脚類3種の内容物からはカイアシ類、ヤムシ類、十脚類、オキアミ類およびアミ類の破片が確認された。一方、アミ類の内容物は不定形の物質のみが消化管後部に存在した。これらの内容物は、種内では雌雄による摂餌パターンの違いは見られず、海域間でも有意な違いはみられなかった。十脚類はおもに肉食性であったが、3種間で消化管内容物に違いがみられ、特にSergestes similisは最も多様な内容物を含んでいた。しかしながら、この違いは摂餌の嗜好性を反映するものでは無く、その摂餌方法の違いに関連するかもしれない。すなわち、摂餌時に餌生物が細断される程度は捕食者の種によって異なり、その結果、内容物組成が種間で異なることが考えられる。そのため、より詳細な摂餌パターン、とくに種間や海域間における違いを明確にするためには、餌生物の種レベルでの定量調査が必要であると考えられた。太平洋亜寒帯域の食物網における甲殻類マイクロネクトンの役割これまでの食物網の研究では、甲殻類マイクロネクトンの特定の種や分類群(オキアミ類やSe rgestes属十脚類)のみが注目されていた。しかしながら本研究によりアミ類を始めとした他の甲殻類マイクロネクトンが高いバイオマスをもつことが示され、食物網の理解にはこれらの影響力を再検討する必要性が指摘された。そこで、本研究で得られた甲殻類マイクロネクトンの水平および鉛直分布と摂餌生態に関する定性調査の結果に、捕食圧に関する既往の知見を加えて解析を行い、食物網における甲殻類マイクロネクトンの重要性を推定した。この結果太平洋亜寒帯域における甲殻類マイクロネクトンの捕食圧は、ハダカイワシ類等の中層性魚類と同程度であることが示唆された。これによって、甲殻類マイクロネクトンはカイアシ類の生産に多大な影響力をもち、また捕食者にとって重要な食物資源となっているものと考えられた。漂泳区全体の食物網における甲殻類マイクロネクトンの重要性に関しても論議した。以上本研究により太平洋亜寒帯域における甲殻類マイクロネクトンの群集構造、鉛直および水平分布、および優占種の消化管内容物に関する新知見を得た。また各海域間の生物量や分布様式の違いを浮遊性十脚類、オキアミ類およびアミ類で比較した結果、十脚類とアミ類は従来過小評価されていたことが明らかになり、それらの食物網における重要性が示された。今後、甲殻類マイクロネクトンの摂餌生態と栄養構造への寄与をより明確にするためには、消化管内容物の定量的な分析が必要であると考える。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲20816"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"9748","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"ショーン, 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