{"created":"2021-03-01T06:22:14.237606+00:00","id":5538,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"6c9ccc65-a80c-43be-bf27-6ef6345d8a24"},"_deposit":{"id":"5538","owners":[],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"5538"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp:00005538","sets":["27:339:340","9:233:280"]},"item_7_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2012-03-22","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographic_titles":[{}]}]},"item_7_date_granted_25":{"attribute_name":"学位授与年月日","attribute_value_mlt":[{"subitem_dategranted":"2012-03-22"}]},"item_7_degree_grantor_23":{"attribute_name":"学位授与機関","attribute_value_mlt":[{"subitem_degreegrantor":[{"subitem_degreegrantor_name":"University of Tokyo 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MPaであり、特に5/95ブレンドはP(3HB)の1.5倍、超高分子量P(3HB)の1.3倍の引張強度を有していた。大型放射光X線を用いた高次構造解析を行った結果、ブレンドフィルムは一段階延伸にもかかわらずβ構造が発現していた。さらにβ構造の相対量と引張強度の間には相関がみられた。高次構造解析の結果から、高次構造モデルを構築した。第三章「野生株産生P(3HB)フィルムにおける超高分子量P(3HB)の添加効果」では、野生株産生P(3HB)に少量の超高分子量P(3HB)を添加し、溶融紡糸条件の最適化と一段階および二段階冷延伸を適用することで汎用高分子繊維に匹敵する高強度繊維の作製を試みた。GPCによる熱分解挙動の測定結果から、超高分子量P(3HB)の添加によって熱分解速度が抑制されることが分かった。冷延伸を施した結果、超高分子量P(3HB)を添加したブレンド繊維の強度は、一段階および二段階で530MPa、および740MPaまで改善されており、ポリエチレンテレフタレート繊維並みの強度を有する高強度繊維を作製することが出来た。大型放射光X線回折測定の結果から、超高分子量P(3HB)の添加は、超高分子量P(3HB)を添加していないP(3HB)と比較して、β構造の発現量および配向度の上昇を促すことが明らかとなった。第四章「P(3HB)のβ構造における熱的性質と溶融過程の詳細な高次構造解析」では、β構造が存在するフィルム(βフィルム)に対して、大型放射光を用いた昇温リアルタイムX線測定を行い、β構造の昇温過程での高次構造変化について詳細な分析を行った。昇温リアルタイム広角X線解析の結果から、β構造は110℃付近から減少し始め、130℃で完全に消失した。α構造のみで形成されるフィルム(αフィルム)が温度の上昇と共に結晶由来のピークの減少を伴うのに対して、β構造を含んだフィルムは結晶由来のピークが上昇し、120℃付近から急激な結晶化を示した。昇温リアルタイム小角X線散乱図において、αフィルムは120℃付近から温度の上昇と共に長周期の上昇をおこしていた。これはラメラ結晶の再結晶化によるものである。一方、βフィルムは120℃付近で長周期が一度減少しており、その後140℃において増加することが分かった。これはβ構造が溶融後α構造に転移し、その時の収縮力によりラメラ結晶が動いているためであると考えられる。DSC測定の結果と合わせて、β構造を含むP(3HB)延伸フィルムの溶融モデルを構築した。第五章「微生物産生ポリエステルを用いたゲルフィルムの作製、物性および高次構造」では、高強度フィルムおよび高強度高柔軟性フィルムを作製することを目的として、新規の延伸法であるゲル延伸法を超高分子量P(3HB)およびP(3HB)共重合体に適用した。サンプルには超高分子量P(3HB)あるいは柔軟性の高いP(3HB)共重合体であるP(3HB-co-3HH)を選択した。貧溶媒とポリマーを加熱することで溶解させ、急冷することでゲルを作製した。このゲルを乾燥させてゲルフィルムとし、延伸を施すことで高強度化を試みた。超高分子量P(3HB)ゲルフィルムは非常に脆く、延伸することが難しかった。P(3HB-co-3HH)は室温での延伸が可能であった。P(3HB-co-3HH)延伸ゲルフィルムおよびP(3HB-co-3HH)延伸キャストフィルムの強度は151MPaと103MPaであり、高強度化することが出来た。また、延伸前、延伸後、延伸熱処理後のフィルムに対して大型放射光X線測定を行い、延伸過程の高次構造変化について詳細な分析を行った。第六章「総括」では、本研究の成果を総括するとともに、今後の研究課題や将来展開についてまとめた。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_7_dissertation_number_26":{"attribute_name":"学位授与番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_dissertationnumber":"甲第28090号"}]},"item_7_full_name_3":{"attribute_name":"著者別名","attribute_value_mlt":[{"nameIdentifiers":[{"nameIdentifier":"11534","nameIdentifierScheme":"WEKO"}],"names":[{"name":"カベ, 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